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次の危機が近づきつつある-7 どこから危機が起こるか?

少しここまでのおさらいをしたい。おおざっぱにいうと低い潜在成長率を受け入れることができない中央銀行による金融緩和が果てしなく行われてきたことや以前のような高い経済成長を前提に民間による投資活動や政府による経済/財政政策が行われてきた結果、バブルがかなり膨張しているということ。そして新しい成長ドライバーになるはずの新興国がかなり減速してきていることをここまでは紹介してきた。

おそらく次の危機の発端になりそうなのは二つ考えられるのではないかと今のところ思っている。そしてその兆候が今年に入ってから徐々に顕在化しつつある。

まず一つ目はアメリカのシェール企業。あるいはアメリカのみならず資源関連のビジネスを手掛ける企業である。

先日、アルファナチュラルというアメリカの大手石炭会社が倒産した 。業界2位。従業員8000人規模の大きな会社だ。今年の1月にはWBHエナジーというシェール企業も破綻している。アメリカでは9月から10月にかけて銀行の融資先の評価の見直しや借り換えが行われることが多いのでそのあたりで原油価格が現在のままであるとさらに破たんが増える可能性が指摘されている。

そもそも、アメリカのシェール企業上位60社は全く利益を出していない状態といわれる。そのようなところに大量の資金が投じられてきたのだから、これをバブルといわずになんというのだろうかということになる。

下のグラフにあるようにアメリカの中小のエネルギー関連の会社の借入額は非常に多く財務状態は健全ではないのである。

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fortune誌 より)

サウジアラビアなどの油田は生産コストが30ドルやそれ以下であるところが多いがシェール企業の多くは50ドル、60ドル台にあるといわれる。よって現在のオイル安が続けば早晩多くの企業が破たんすることは目に見えている。

高い経済成長を予測し資源価格が値上がり(あるいは高止まり)するという間違った前提のもとに過剰投資が行われた典型例である。もちろん、問題は米国だけでない。日本の商社も資源関連ビジネスに大量に投資を行ってきた。すでに多額の損失を出しているがまだまだ序の口といえるだろう。経済成長がさらに鈍化した場合には傷口がさらに広がる可能性が高いし、おそらく経済成長はさらに鈍化する可能性が高いのはここまでのシリーズで書いてきたとおりだ。

下のグラフにあるように世界中でエネルギー関連企業の負債は膨張している。


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business inside rより)

商品市況の悪化を受けて資源国通貨や新興国通貨が大きく値下がりしているのも最近の傾向だ。ドル高が大きく進んでいるがドル高は米経済にとってはネガティブであることは言うまでもない。NY連銀によると10%のドル高はGDPを1Q0.5%減らしつぎの1年間も0.2%下押しするというから今の低成長ではバカにできない悪影響である。もちろん、米経済が堅調であることが原因のドル高ならあまり関係ないだろうが、問題は海外経済が弱いことによるドル高なのだ。

と書いてきて意外と長くなってしまった。二つと書いたがまずは一つ目で今日は終わりにしたい。

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