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映画鑑賞料金の値下げ(「机上の空論」から「ブログ上の実論」へ)

 今週、シネコン(複合映画館)最大手のTOHOシネマズが映画の入場料金を1500円に値下げする方針を明らかにした。18歳以上が1500円、18歳以下が1000円になる予定らしく、実に18年ぶりの料金改定となる。


 そして本日、さらに条件付きで1200円まで下がるという発表があった。

 映画料金については何年か前に当ブログでも値下げ提案を記事にしたことがある(以下の関連記事参照)。当時は「映画料金の値下げなんて机上の空論だ」と言う人もいたが、今回、結果的には値下げされることになったわけだから、「机上の空論」ではなかったことが一応は証明されたことになる。ということで、改めて記事を書き進めたいと思う。
 
【関連記事】
映画鑑賞料金の現状と改善提案

 これまで映画鑑賞料金は、デフレ時代であるにも関わらず消費者の要望を掬い上げることなく20年近くも料金を下げずに据え置いてきた。そんなわけだから、価格競争に弾みがつけば一気に半額程度まで下がってもおかしくないと思う。業界のいろんな事情が有るのかもしれないが、時代的な背景と需要と供給のバランスを考えれば、1200円でもまだ少し高いと思えるのは私だけではないと思う。

 この18年の間に映画を取り巻く状況は大きく様変わりした。18年前と言えば、まだアナログのビデオテープが主流の時代で、映画ソフトも高価なイメージが強かったが、現在では安価なDVDソフトやブルーレイソフトが出回っており、安価な大画面テレビも出揃っている。その上、インターネットを経由してパソコンで映画を視聴できる環境も整っている。そんな状況の中にあって、映画館で映画を観る料金だけが変わらないというのは、あまりにも不自然だった。

 映画館自体は快適なシネコン形式となり、座席の予約等もネットで行えるようになった。IMAXシアターを筆頭にリアルな3D映画の上映にも対応するなど、物理的な意味では、映画館も随分と変化したと言える。しかし、料金だけはなぜか無視され続け、料金の値下げを話題にすること自体がタブーのようになっていた。

 そういった一種の規制文化のような空気が世間を覆っていたせいか、「映画料金の値下げなんて机上の空論だ」というような意見がさも正論であるかの如く錯覚されたわけだ。
 
 本来、モノの値段というものは、需要と供給の原理によって決定されるものであり、その市場における需要が伸び悩めば、一時的にでも値段を下げるという判断が為されるのが一般的である。消費者が求めている価格と、生産者が望んでいる価格に埋めようのない開きが発生すれば、その隙間を狙って価格破壊業者が現れることになる。QBハウスなどはその良い例であるが、映画業界には価格破壊業者ではなく、『違法コピー業者』という市場破壊業者が現れてしまったことは以前にも述べた通りである。しかし、さすがに映画館自体をコピーするわけにはいかないので、映画館商売はこれまで値下げすることなくなんとか持ちこたえてこれたのかもしれない。

 ネット上で「あなたは映画鑑賞料金がいくらであれば映画館で映画を観ますか?」というアンケートを実施すれば、おおよその妥当料金が判明すると思うが、私の答えは以前と変わらず「1000円」である。のんびりと映画を観に行く時間があまり無いとはいえ、1000円であれば月に1回程度なら無理してでも行ってみようかという気持ちになる。現在は年に2回程しか映画館には行っていないので、私の場合、1000円 まで値下げしてくれれば、映画館の売上げが3倍以上になる計算だ。(以下の計算式参照)

 1800円× 2回= 3600円
 1000円×12回=12000円

 では、1200円ならどうなのかというと、私の場合は2倍(4回)にはなるだろうと思う。しかし一般的にはそこまでは伸びないかもしれない。

 1200円という料金は、コストパフォーマンス的には非常に微妙な料金だと言える。少なからず観客数がアップすることは間違いないと思うが、1200円の場合、観客数が1.5倍以上にならないと売上は上がらないわけだから、かなり微妙ではある。(売店の売上は計上しないものとする)
 
 「価格以上に魅力のある映画であれば、料金にはそれほどこだわらない」と言う人も多いと思うが、映画というものは基本的にフタを開けてみないと分からない代物でもある。中にはお金を払うに値しない駄作もあり、観るだけで時間の無駄になったというような映画も実際に多数存在している。そんな玉石混交なモノが出回っている映画市場で重要なことは、「試しに観てみる」という発想である。そういった発想を消費者に抱かせるに足る料金というものを設定しない限り、観客数(=売上げ)が飛躍的に伸びることはない。逆に、そういった消費者心理を正確に捉えることができれば、売上げ(=観客数)が飛躍的に伸びるだろうことは容易に想像できる。

 何度も個人的な意見を言うようで恐縮だが、私の感覚では、その節目となる価格は1000円以下だろうと思う。映画鑑賞料金を1000円まで下げることができれば、全国のシネコンの興行収入は飛躍的にアップすると思う。

 キャッチコピーを『365日、映画の日』とでもすれば、映画ブームが再燃し大繁盛間違いなしだろう。映画館が繁盛すれば、映画製作会社等も潤うことになるので、映画の質も自ずと向上していくという好循環システムが生まれる。ほんの些細なことからバタフライ効果的に景気が良くなっていくことも充分に有り得る。是非、シネコン経営者の方には、試験的にでも思い切った値下げを断行していただきたいと思う。
 
 今回も「机上の空論」だと反論する人が出てくるかもしれないが、私自身は「ブログ上の実論」だと確信している。また数年後にそのことが証明されることを願って筆(指)を置きたいと思う。

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