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フリーランスが安心して社会で活躍できる環境づくりを

 日本の最大の問題である人口減少問題。現在の日本の総人口は約1億2700万人ですが、30年後には8000万人から9000万人に減少すると言われています。このような人口減少社会の中で、日本の新規労働力の配分は歪んでおり、就職人気ランキングのトップ10はいまだに大手金融機関が上位を占めています。これからの成長分野と言われている医療・介護、農業、IT、教育、ベンチャー企業などに若くて優秀な労働力が流れずして、この国の成長がどこで担保されるというのでしょうか。これから伸びる可能性のある産業に貴重な労働力をシフトさせ日本の競争力を高めていくことで、はじめて未来への可能性が開けてくるのではないかと僕は考えています。
 
 そのような中、昨今では、働き方の多様化の1つとして、企業や団体に所属しなくても、個人として働くことで収入を得る、「フリーランス(自営業、自由業)」という新たな働き方が広まりつつあります。IT先進国のアメリカでは、全労働人口の1/3が何らかの形でフリーランスとして就労しているというデータ*1もあるほどで、これまで相対的に情報弱者であった個人が、インターネットというツールを武器に情報強者となり、場所・時間に縛られずに仕事に従事することが可能となりました。この働き方は、日本においても今後広まっていくのではないでしょうか。

 このように多様な働き方が認められつつある一方で、フリーランスなどの個人には、企業の従業員が享受している公的保障が不十分であるという問題があります。たとえば、従業員が病気やケガの療養のために就業不能となった際に支給される「傷病手当金」、従業員であれば健康保険で最長1年6ヶ月の間保障されますが、フリーランスには適用されず、自身で備えなくてはなりません。加えて、このような事実を、フリーランスの方の3人に1人が「知らない」*2という現実もあります。一刻も早く厚生年金・健康保険の適用拡大(労働時間に係らず被用者に全面適用)に本格的に取り組むことが望まれます。

 この就業不能リスクに備えるため、ライフネット生命では、2010年2月より、就業不能保険「働く人への保険」を販売しています。先進国であるアメリカやドイツでは、ディサビリティ(disability)と呼ばれ、メジャーな保険商品です。これは、難病や事故で働けなくなった人が完治して社会に復帰するまでの間、一定の金額(例えば月額20万円など)を給付し続ける保険であって、おそらく21世紀を通してみれば、生命保険の主力商品の座が死亡保険から就業不能保険に変わっていくのではないかと僕は考えています。

 20世紀の終身雇用一本槍から多様な働き方へと変化する世の中で、フリーランスなどの個人が仕事に前向きに取り組み、安心して社会で活躍できるよう、彼らの守りの面を支援すること。これも民間保険会社の大きな役割であると考えています。

*1 Freelancing in America: A National Survey of the New Workforce
*2 ライフネット生命保険「フリーランスの働き方とお金に関する調査」

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