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第二項では、

前項の目的を達するため、
→陸海空軍その他の戦力は、保持しない。
→国の交戦権は、認めない

と言っています。

「前項の目的を達するため」も、「国権の発動たる」「国際紛争を解決する手段として」と同じく、目を滑らさずにちゃんと読みましょう。

第一項の

日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、
・国権の発動たる戦争と、
・武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、
→永久にこれを放棄する

の目的を達するため、

→陸海空軍その他の戦力は、保持しない。
→国の交戦権は、認めない

です。

「陸海空軍その他の戦力は、保持しない」も、「国の交戦権は、認めない」も、「前項の目的を達するため」です。

「前項の目的を達するため」ではなかったら、「陸海空軍その他の戦力」を保持してもいいし、「国の交戦権」も認められています。

もし、また「んんん~???」となったら、何か別の分かりやすい言葉に置き換えてみてください。

例えば、高校野球。

A高校は、甲子園に出場することは、永久に放棄する。
この目的を達するため、野球部は保持しない。

この場合、A高校が永久に放棄しているのは、「甲子園に出場すること」です。

「河川敷グラウンドで近所の草野球チームと試合をすること」は放棄していません。

「甲子園出場を永久に放棄する」という「目的を達するため」に、「野球部は保持しない」なので、河川敷グラウンドで近所の草野球チームと試合をするためだったら、野球部や野球サークルは保持してもいいですよね。

草野球じゃなくても、「県大会決勝までに必ず負ける」のであれば、県予選の試合に出ても問題ありません。

まあ、そんな試合はやる気出ないでしょうけど。

それか、「甲子園」ではなく「神宮」に出場するために軟式野球部を……あ、もういいですかそうですかすみません。

もし、「何があっても野球部は保持しない」のであれば、「この目的を達するため」という文は不要です。

A高校は、甲子園に出場することは、永久に放棄する。
また、野球部は保持しない。

とかでもいいワケです。

「この目的を達するため」という文の存在は、その後の「野球部は保持しない」を限定的にしています。

ので、まとめると、憲法9条は

日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求してるよ。
国権の発動してない戦争はしていいよ。
国際紛争を解決する手段じゃなかったら武力行使(威嚇も)していいよ。
「国権の発動たる戦争」じゃない戦争や、「国際紛争を解決する手段として」じゃない武力のためなら、陸海空軍その他を保持してもいいし、交戦権も認めるよ。

って言ってるんです。

いや、だからってやんなくてもいいんですよ。

憲法9条が「いいよ」って言ってるからって戦争しなくてもいいんですよ。

私が武力行使に打って出ろって言ってるワケじゃないですよ。

しつこくてすみません。

なので、憲法9条的には

・国防のために自衛隊が存在する
・なんだったら自衛隊じゃなくて陸海空軍を作る
・侵略されないように武力で威嚇する
・尖閣諸島になんかやってきたら武力を行使する
・拉致被害者を救出するために自衛隊が北朝鮮に行って、もし救出を妨害されたらドンパチやる
・外国の海にいる海賊や機雷から日本の船舶を守るために武器を使う
・集団的自衛権を行使して、日本を防衛するために武力行使をする
・国内のテロを防ぐために、自衛隊がテロ組織を武力でやっつける
・日本国内だったら内戦だってクーデターだってやりたい放題

これ、全部オッケーなんです。

どれも「国権の発動たる戦争」でも「国際紛争を解決する手段としての武力」でもないですから。

「武力行使は自衛のためならオッケー」という論をよく聞きますが、「自衛」に限らず、「国際紛争を解決する手段」でなければ全部オッケーなんです。

だって、条文にはっきりそう書かれてるんですから。

あ、あくまでも「憲法9条的には」ですよ。

日本は憲法9条だけで動いてないですからね。

法は他にもたくさんありますからね。

外交も経済も大事ですからね。

あくまでも「憲法9条では禁止されてない」って話ですからね。

やんなくてもいいんですからね。

ってか「日本国内だったら内戦だってクーデターだってやりたい放題」ってなんだよそれやめてよ。

いや私が書いたんですけど。

一方、

・集団的自衛権を行使して、同盟国の紛争に武力で加担する
・竹島を奪還するために武力を使う

は、憲法9条で認められていません。

これらは「国際紛争を解決する手段としての武力」なので。

「集団的自衛権を行使して、同盟国の紛争に武力で加担する」が「国際紛争を解決する手段としての武力」なのは分かりやすいですよね。

「同盟国の『紛争』」なので。同盟国との関係は「国際的」なものなので。

「国際紛争」ですよね。

だから、憲法9条的にNGです。

そして、竹島問題。

日本は、竹島問題を解決するために、過去に3度、国際司法裁判所への付託の提案をしています。

「紛争ではない」のであれば、裁判所への付託の提案なんかしません。

外務省の資料でも、竹島問題を「紛争」と明記しています。

そして竹島問題は、日本と韓国の国際間のもの。

なので、「国際紛争」であり、それを解決する手段としての武力行使は憲法9条的にNGです。

……と、ここでついでに韓国側の主張も見ておきましょう。

韓国側は、竹島問題を「紛争ではない」としています。

「竹島は韓国固有の領土である。領土紛争は存在しない。紛争がないのだから国際司法裁判所への付託に応じる必要はない」というのが、韓国側の主張です。

……となると???

韓国側の主張を日本側が受け入れ、日本側も「おk。紛争ではない」とすれば、竹島に自衛隊が武力で乗り込むのも憲法9条的にはOKなの?

いや、そもそも韓国側が「紛争ではない」と言ってるんだったら、日本側が「紛争である」と言ってても憲法9条は「武力行使できる」って言ってるの?

憲法9条の「国際紛争」って誰が判断するの?

それに、憲法9条は「国際紛争を解決する手段としての武力による威嚇も、永久に放棄する」って言ってるから、自衛隊が災害派遣でヘリ飛ばしてるだけでも「それは武力による威嚇だ!国際紛争を解決する手段として武力を見せつけてる!威嚇だ!」って国がもしあれば、自衛隊は災害派遣もしちゃダメなの?

憲法9条の「威嚇」って誰が判断するの?

さー、ややこしくなって参りました。

何が「国際紛争」で、何が「国際紛争ではない」のか。

「国際紛争」や「威嚇」は誰が判断するのか。

みなさんも、ご自身で考えてみてください。

研究してみてください。

日本国民みんなの憲法ですからね。

忙しくてなかなかそんな時間は取れないかもしれませんが、ぜひなんとか時間を作って考えてみてください。

というのもですね。

今回、このコラム書くためにめっちゃ調べたんですよ。

「この資料ってどこにあるか教えてもらえませんか?」って関係省庁に問い合わせたりして。

その前にまず「この資料がどこにあるのかをどこに問い合わせたらいいのか」を調べたりして。

すんげー時間掛かったんですよ。

んで調べるうちに、資料を読むうちに、「ふーむ」となったり、「はあ?!」ってなったり、「お、おう……」ってなったり、「フンガー!」ってなったり、「なるほど」となったり……という感情の起伏をみなさんにも体験して欲しいんですよ。

あ、これは「私が一生懸命調べたんだから簡単には教えてあーげない!」ってんじゃなくてですね。

その感情の起伏、そして理解によって、「憲法9条」のことをめっちゃ考えたんですよ。

これ、ぜひとも一人でも多くの人にやって欲しいな、と。

面倒臭いですかそうですかすみません。

何が「国際紛争」で、何が「国際紛争でない」のか……は、ひとまず置いとくとして、話を憲法9条自体に戻します。

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