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強烈な思い出・・・

昨夜、「習近平の正体」という本を読んだ。

(本の内容についてはごくありきたりの解説本で、深い知識を得ようというものではない)

読んで、20年程前の事を鮮烈に思い出した。私が中国との付き合いと言うか商売を始めるキッカケとなった一人の中国人就学生。こいつは私より2つほど年下で訒小平の改革開放の申し子みたいな奴。数千円を握りしめ神戸港に下り立って今は富豪。

こいつも鮮烈な思い出だけど、もっと鮮烈に思い出すのはコイツの兄。私より5つ上だったので、今は53才になっている。何かのはずみでこの兄と語り明かした夜があった。私は26.7才だったのでよく意味が分らなかったが、とにかく彼の思いが通じて涙が溢れてきた事だけは覚えている。

話の内容は文化大革命時代の事。習近平と殆ど同じ様な過酷な経験をその兄も味わっている。習近平の父は共産党の大幹部だったが、その兄の両親も中国瀋陽市の共産党幹部だった。

文化大革命でどんな事が行われたのかについてわざわざ書かないが、とにかく彼らは超エリートから「下放」されて豚以下の生活に追いやられる。

裕福な知的エリートが一晩で食うも着るもままならない最低の生活。そしてそれよりも辛い人間としての尊厳を全否定され続ける日々。まだ中学生になったばかりの年齢で自分や自分の家族の悪行について自己批判を強要される。

「私のような者は生まれてきた事自体が反革命的でございます」

そんな事を言わされながら毎日14時間もの労働を強いられる。

その兄は文化大革命の事すら大して知らない私に向って下放時代の話を語り出した。どれだけ辛かったか。どれだけ苦しかったか。零下十度以下の寒さの夜、ボロ布だけで凍死しそうになる。口にするのはわすがな粟やヒエやとうもろこし、それで一日10時間以上の農作業。さらに思想教育。多くの仲間が死ぬか、逃亡して死ぬか、発狂したそうだ。

習近平はそんな苦しい環境の中めきめきと頭角を現し、農村の人にも尊敬され実力をつけていった。

中国の55才前後の世代にはこんな経験をした人も多い。同世代の日本の政治家が立ち向かえる訳がない。

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