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【全文】「わしが多くの日本人を覚醒させて、本当の独立国というものを築く」〜小林よしのり氏が安保問題で会見

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SEALDsへのバッシングなんか、大人としてはみっともない

ー小林先生は昨日、SEALDsの若者と二時間にわたって対談をされたという話ですが、一体どういうお話をされたのでしょうか。日本人を覚醒させたいとおっしゃいましたが、彼らに期待するかしないか。

例えばね、自民党の議員とか保守系の人たちが、わざわざあの若者たちをバッシングするんですよね。あの人達は、わしとは同じ考えじゃありません。若者はやっぱり未熟なんですよ。自分自身が20歳前後だった時の事を考えても、やっぱり未熟でしたよ。その若者が社会の問題に対して、国家の問題に対して、ようやく目覚めたところです。わしはとくに彼らを持ち上げることもありませんし、バッシングなんか、大人としてはみっともないことだと思っています。

昔ね、わしよりちょっと上の一番人口が多い世代、団塊の世代と言うんですけれど、彼らが若者だった頃、『戦争を知らない子供たち』という歌が大ヒットしたんですね。"自分たちは戦後生まれで戦争を知らない。これが未来を作るんだ"と、誇らしげに歌っていたんですよ。戦争を知っているわしの両親とかはそれを苦々しく見ていたんですね(笑)。

ところがですよ、その団塊世代、自分たちは"戦争を知らない子供たちだ"と誇らしく歌っていた若者たちは今、保守系の雜誌ばっかり読んで、中国と韓国のバッシングばっかりやっています。全くみっともない。

自衛隊とは別に、平和貢献のための部隊を

ー米国のある世論調査では、85%の人々が米国以外での戦争に関わりたくないと答えたちう結果も出ています。米国が本当にそういう考え方になった場合、日本はどう対応すれば良いのでしょうか。

まず、アメリカはベトナム戦争の後も、しばらくは国内にしか関心が向かないようになったんですね。それがしばらく経つと、やっぱりアフガン戦争、イラク戦争というかたちで外にナショナリズムをぶつけていくってことになってしまうんですね。

アメリカが世界の警察官であるのならば、やはり侵略戦争をやって、今の中東情勢のように混乱させっぱなしじゃ駄目です。しかも人命に対する差別があるんですね。アメリカにとって、アラブの人たちの命は軽いんですよ。何十万人殺してもいいと思っているんですよ。こういう状態は良くない。果たしてアメリカが世界の警察でありえるかどうか。十分これを警戒しなければいけない。で、日本は、中東に対しては、やはり戦争という形で関わってはダメです。

わしが考えるのは、例えば自衛隊を二分割してしまうんです。ひとつは平和貢献の部隊にして、そして本当に戦いには関係なく、どのように協力できるのか、現地の人たちが何を望んでいるのか、という形で関わらないといけません。 

たとえばイラク戦争の後に自衛隊がサマワに行きましたけれど、あれはアメリカに対する"一応参加したから"っていう言い訳のためだけに行ったんですよ。結局インフラというのは維持・整備が必要ですからね、現在どうなっているかというと、維持ができなくて元に戻っちゃっているわけです。ぼろぼろになっている。あそこに重機を置いてきているんだけど、使いこなせる人間も居ないから、埃かぶってしまっているわけです。そういう貢献の仕方じゃやっぱり駄目なんだな。

本当に"イラク復興"という理念が日本の中にあったかどうか。無いんですよ。やはりわしは自衛隊が出て行くことは誤解を受けるから、平和貢献の部隊は別に作ったほうがいいんじゃないかなと考えています。

外交に対するタフネスさも要りますよね。アメリカだって、タリバンとさんざん戦争して、結局は外交交渉で決着をつけようかということになるわけです。だったら最初っからやれよという話になりますし。

あるいは日中中間線のガス田の問題だって、日本と中国で共同経営するという合意が取られていたはずなのにそこから先外交交渉が進まないからどんどん増えていってしまって、最後は武力に頼らなければいけないということになる。

外交の力、そのタフネスさというのは、執拗にやらなければならない。それしか結局世界を平和に、安定に持って行く方法はやっぱり無いんですよね。

ロシアだってそうですよね。ウクライナに侵攻してますけれども、先に実効支配してしまったら、どうにもならないということになっていますけれども、世界中の報道関係者の人たちには、国際法自体を侵す、武力で現状変更することは良くないということを自国のひとたちに伝えてほしいんですね、外交交渉に徹底的に持ち込む、執拗にやるというそのタフネスさ、それしかないんですから。

ここには世界中の報道機関が集まっておられるので、具体的な方法論として、国際連合を戦勝国体制にしておくってのを、そろそろやめませんかね。常任理事国を戦勝国だけで独占しているという状態では国際社会は良くなりませんよ。今の国連のあり方を変えようという声を、それぞれの国から呼び起こしてくれませんかね。

そうしなければ、これどうにもならないですよ。アメリカが賛成って言っても、中国やロシアが必ず拒否権を発動するという、今のやり方では良くならないでしょう。本当に平和にしたいと思っているのなら、具体的な方法として国連改革が一番必要ですよね。それとも戦勝国だけでこの枠組みを独占したい思っているなら、結局駄目なんですけれどね。

大東亜戦争は開国以来の運命だった

ー大東亜戦争は侵略戦争だったとお思いですか。

安倍首相がアメリカの議会で、"日本のアメリカとの出会いは民主主義との遭遇だった"と演説しました。アメリカの議会は拍手していましたね。あれは嘘です。

日本とアメリカの出会いは砲艦外交、ペリー提督がやってきて、大砲をぶっ放しながら不平等条約を結んだんです。そこから日本は近代国家になり、帝国主義の中に入っていかなければいけない状態になりました。戦争をして植民地を持つ、これをやらないと一流国として認めてられないんですよ。だから不平等条約を解消できないんです。当時はそういう時代だったんですよ。

日本が開国したのは、清がすでに侵略されて、虫食い状態になっていたからなんですね。それを恐怖したんです。欧米列強を恐怖したんです。それで、帝国主義に入っていき、日清戦争、日露戦争、勝ってしまいました。ここから日本の驕りが出てくるんです。

だから日清・日露に勝った軍部に国民全員が期待していしまいました。それで政治の歯止めが聞かなくなってしまった。そして最後に、誰もアメリカと戦いたくなかったのに、戦わなければならなくなってしまった。これは日本の開国以来の運命なんですよ。

大東亜戦争っていうのは、アメリカに砲艦外交で強引に開国させられて、帝国主義の中に放り出され、そこで生き抜いた結果、またアメリカと戦って敗戦する。ここまでが一つの大東亜戦争で、これは運命だったとわしは思っています。

自らの運命を否定するというような考えにはわしは立ちません。そういう意味では大東亜戦争肯定論です。

ー侵略戦争だったのですか?そうではないのですか?

どこの時点か、それがわからないんですよ。支那に入っていったこと、これは侵略戦争です。

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