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最低賃金すら払えないような会社は淘汰されろ=最低賃金に値しないような労働者は淘汰されろ

最低賃金の引き上げに関する興味深いエントリーがあったのでいくつかフォロー。

最低賃金しか払えない企業よりも、実際に働く人を守るべきじゃない?というお話。

要旨は、最低賃金を引き上げれば労働者の支援政策になるし、それが払えないような企業は淘汰されるべき。人手不足なんだからそうやって人も金も優良企業に集中すべきだ、というお話。

実際問題として、最低賃金あたりで雇用している大企業なんてものはなく、そういう意味で「最低賃金が低いのは大企業優遇だ」というのはありえない。また、都市部で最低時給近辺で雇用しているところもほとんどない。

では、どういうケースで最低賃金近辺で労働者が雇用されているかというと、その多くは地方の中小零細企業だったりする。貧乏とか資本階級の横暴とかそういうんじゃなく、東京とはまったく別の経済圏だと想像してほしい。

たとえば、町内の求人というのが「時給700円の漬物工場だけ」みたいな環境だったりする。そういうところで最低賃金を1000円に引き上げさせると何が起こるか。恐らく「1000円じゃあ利益は出ないし、わしらももう年じゃけえ会社は畳もうかい」となってしまう企業が大半だろう。

確かに、淘汰は淘汰だ。でも町内に転職すべき先端産業なんてないから、就労希望者は別の大きな都市に移る以外になくなってしまう。要するに、最低賃金の引き上げは確かに一定の労働市場の流動化を促すだろうが、それよりもむしろ人口の集約を促すことだろう。その本質は「最低賃金も払えないようなダメ企業の淘汰」というより「最低賃金も払えないようなダメ自治体の淘汰」と言ったものになるだろう。

となると、少子高齢化の今、人口の都市部への集約はそれはそれで一つの合理的な答えなので間違いとは言えないけれども、それはもはや雇用政策の一環ではない気もする。

ついでに言うと「最低賃金すら払えないような企業は淘汰されろ」という考えは、企業側からすれば「最低賃金にすら値しないような低生産性の労働者は淘汰されろ」ということであり、少なからぬ弱者が切り捨てられることになる(で、仕事はたぶん海外に発注される)。主に地方で発生するであろうそうした失業者が発奮して都市部に移住し、先端産業に移ってくれるかといえば、なかなか難しいのではないか。

というわけで、反対というわけではないけれども、最低賃金自体は引き上げよりも撤廃で、合わせて負の所得税のような低所得層向け支援制度を導入するのが望ましいというのが筆者のスタンスだ。

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