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【急拡大するeギフト市場で消費が変わる?】~5年後、1,100億円市場に~

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ギフトというとお中元やお歳暮を思い出すのが日本人。上司に贈り物をする習慣はだいぶ薄れているような気もするが、いまだにその時期デパートは大賑わいだ。市場規模を見てみると17兆550億円(2014年度:矢野経済研究所推計)とかなり大きいが、ここ数年横ばいとなっている。

そうした中、急成長を遂げているのがeGift市場だ。2014年度の市場規模はわずか82億円(同研究所推計)だが、注目すべきはその伸び率。なんと前年度比182.2%(発行金額ベース)と、ほぼ2倍となっている。法人特需があったにせよ、個人から個人に送るスモールギフトが増えたことが要因だという。

5年後の2020年には1,100億円市場にまで成長するとの予測もあり、停滞するギフト市場の起爆剤に、と期待されている。急拡大する要因としては

  1. 法人のキャンペーンや従業員向け福利厚生利用
  2. 新たなギフト習慣としてのeGiftの浸透
  3. 商品券・ギフト券からの代替
  4. 現物の贈答品からの代替

(矢野経済研究所による)

などが上げられている。

こうした市場を見越して個人向けeGift販売を行う市場への参入が増えてきた。具体的にいえば、コーヒー専門店やコンビニ、ファミレスなどの商品をカジュアルに友人同士eGiftとして送り合う、というサービスだ。たしかに、ちょっとした日頃の「ありがとう」や「ごめんなさい」といった気持ちをeGiftとしてさりげなく友人や恋人、夫や妻、親や子供などに贈ることが出来たら、人間関係の潤滑油になりそうだ。

SNS(LINEやTwitterなど)で簡単に贈ることが出来るのも便利だ。相手の住所などがわからなくてもプレゼントできる手軽さが受けるだろう。若者だけでなく、中高年層でもスマホを使いこなす層にはアピールするだろう。

ではコンビニやドラッグストアなど大手企業が自分たちで独自にeGiftサービスを始めたらeGift専業会社にとって脅威とはならないのか。これに対し、eGiftサービスを展開する企業gifteeの太田睦代表取締役は「eGift Systemは、店頭で引き換えるデジタルのギフトチケットの生成や配信、そのチケットを自社サイトで販売できるシステムなどからなり、かなり複雑。(ギフトを)贈る人、受け取る人、さらにそれを使うお店側の人、プレイヤーも多い。1企業がやろうと思っても時間も金もかかる。我々のような業者と組む方がメリットが大きい。」と自信を示した。

こうした中、発行額が1兆円になろうとしているポイントサービスの動向も気になる。T-ポイント、ポンタ、楽天スーパーポイントが三つ巴でパイを奪い合っている。ポイントを貯め、実店舗で電子マネーとして使ったことがある人も少なくないだろう。電子マネーそのものは既にギフトとして送ることが出来る。コンビニなどで買えるWebMoneyギフトカードやGooglePlayギフトカード、iTunes Card、LINEプレイペイドカードなどがそれだ。ただギフトとして人にあげるにしても、一旦物理的にカードを買わなければならない、という不便さがつきまとう。

電子マネーそのものを人に上げるサービスとしては、edy to edyなどは既にある。楽天キャッシュも人に贈ることが出来るが、こうしたサービスはお金の貸し借りなどが主な使い方になると思われ、ギフトとして使う人は少ないだろう。だからこそ、eGiftサービスは手軽な低価格商品やサービスを友達にネットで贈ることが出来るという点で消費者の支持を受けるものと思われる。

当面は、コーヒーやマッサージを受けるチケットなど、日常消費するモノがメインのギフトとなろうが、いずれはポイントそのものをギフトとして贈るサービスが検討されよう。もしくは、決済手段としてポイントが使えるようにするのかもしれない。そうした時、eGiftサービス専門企業が、どのポイント陣営と組むのか、また、主導権を握ることが出来るのか、など懸案事項が浮上しそうだ。

いずれにしてもスマートフォンとSNSの普及が、消費の形を大きく変えていくことは間違いない。動きはゆっくり見えていても、閾値を超えると一気に変化するのが日本の市場である。eGift市場の動向は、これからの消費形態の変化を占う鍵となりそうだ。

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