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9月利上げを示唆したロックハート総裁

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、アトランタ地区連銀のロックハート総裁は4日、米経済はおよそ9年ぶりとなる短期金利の引き上げに向け用意が整っているとし、景気指標が大幅に悪化しない限り9月の利上げを支持する考えは揺らがないとの見解を示した。

 FOMCでの今年の投票権を持つロックハート総裁は、金融緩和政策に積極的なハト派とされ、利上げには慎重な態度を一貫して示していた。しかし今年1月には、景気が足元の底堅さを維持すれば「十中八九今年半ばまでには、金利引き上げが正当化される状況になるだろう」との見解を示していた。

 金融政策を決める人に対して、市場ではその発言内容や投票行動などから、基本的にハト派(金融緩和に積極的)、タカ派(金融引き締めに積極的)に分けられることが多い。ハト派、タカ派の語源は、元々は政治用語であり、政治家はハト派(平和主義、穏健)に対し、タカ派(武力行使、攻撃的)の区分けがされていた。それを金融政策においては、景気に対して慎重で物価の低迷を意識するハト派、景気に対しては強気で物価上昇リスクを意識するタカ派と分けられている。

 ただし、ハト派が常に金融緩和を訴えるわけでもなく、タカ派が常に金融引き締めを主張するわけではない。ハト派の代表とされるバーナンキ前議長や現在のイエレン議長は、テーパリングの決定に関わり、年内の利上げの可能性をイエレン議長は示唆している。当然ながら金融政策は自らの主張を論じる場ではなく、足元の経済物価やそれに影響を与えうる外部環境などを総合的に判断して決定すべきものとなる。

 その意味では今回のロックハート総裁の発言はハト派だから意外、と捉えるよりも、イエレン議長などの執行部の意見に対して同意を示したものとも捉えられる。つまり、自ら年内利上げに向けた地均しを行ってきたとの見方ができるのではなかろうか。

 2013年の5月あたりから当時のバーナンキ議長を中心にテーパリング開始を示唆し、市場はそれを9月と読んでいた。しかし、9月は梯子を外された格好(あくまで市場サイドから見て)となり、現実には12月のFOMCでテーパリングが決定された。

 今年も同様な事態になるかどうかは不明ながら、市場では原油安やその要因でもある中国経済の減速、さらにここにきての米国経済指標が予想を下回るものが多くなり、9月の利上げ観測が後退していた。そういったタイミングだっただけに、年内利上げに向けたFRBのスタンスに変化がないことを、ロックハート総裁の発言を通じて伝えたかったのではないだろうか。

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