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日本で北欧型の福祉国家は成立するか  〜信頼と政府の規模〜

大きな政府か小さな政府かという議論はよくある。

個人的には小さな政府を支持しているのは言うまでもない。しかし、政府の規模というのは非常にあいまいな概念である。また、政府支出が多くても規制を減らしより市場機能を生かそうとしている国もあれば、そうでない国もある。

ある意味ではこの話題は神学論争であると僕は思っている。

日本では引き続き北欧型の福祉国家に対する憧れが強い。しかし、もし、ただ単に政府の社会福祉を増やしただけでは、うまくいかないのは容易に想像できる。

ギリシアなどの南欧の国を見るまでもなく、フリーライダーの存在が政府の規模を拡大させ、一方で租税回避などの無責任な行動によって税収が落ち込み国が成り立たなくなるからである。

福祉国家が成り立つには社会福祉を受ける側がその理念に沿ったようにお金を使うことが求められるし、成りすましなどの不正行為が少ないことも必須条件である。

↓の図を見てもらいたい(http://www.gnxp.com/wp/2011/02/03/trust/から)



信用と政府のGDP対比の社会福祉の支出額の図である。

3つのグループができている。北欧型、アングロサクソン系+日本、欧州大陸型である。

北欧の国々では、人々の間の信頼感が強いから、上記のようなフリーラーダーや不正行為の心配が少なくなり、規模の大きい福祉国家が成立していると考えられる。

一方で、アングロサクソンの国家や日本では人々の間の信頼感は中程度である。その結果とは必ずしも言い切れないが、社会福祉への政府支出は小さく、自己責任がより重視されている。

大陸型国家はより他人への信頼感が小さい。よって(おそらく)多くの人々は政府に頼る気持ちが強くなるのかもしれない。しかし、ひとたび間違えればギリシアのように破綻の淵に追いやられることはいうまでもない。

また、信頼がないと市場での取引は成立しにくくなる。北欧が実は市場経済重視であることやアングロサクソン国家や日本が市場経済を重視していることはその辺りとも関係しているのかもしれない。

一方で、欧州大陸の国々は規制重視である。

信頼と政府の規模・市場経済を重視するか否かの関係性はこのように推測できるのかもしれない。

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