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公的金融の拡大をこのまま許していいのか?

中小企業は不利な条件におかれているから助けなくてはならない!となんとなく思っている人は多い。仮にそれが正しいとしてどの程度まで助けるのが正しいのだろうか?

中小企業、公的金融頼み 民間の機能低下続く

中小企業向け金融の「公的依存度」が高まっている。中小向け貸出金に占める政府系金融機関や政府保証付きの割合は約24%と全体の4分の1に迫っており、1割強の米国を大幅に上回る。2008年秋のリーマン・ショックを受けた政府の資金繰り支援で公的依存が定着し、金融危機が一巡した後も貸出残高は高水準にある。(日経新聞より)

みなさんはこの状態をどう思われるだろうか?

中小企業向けの貸し出し252兆円のうち、政府系によるものが26兆、緊急保証制度という制度を利用した政府保証つきの民間による融資が35兆におよび、合計で61兆にもなるのだ。

さすがにやりすぎだ!社会主義国家じゃないぞ!と思われる人も多いのではないだろうか?

このほかにも亀井ちゃん肝いりのモラトリアム法案によって民間金融機関に融資の繰り延べを多くを強制している。また、デリバティブによる損失に対しても救済するように金融庁が金融機関に圧力をかけているという。

中小企業は不利な条件におかれているという過剰な思い込み(もしくは過剰な温情主義)のもとに、なし崩しにいろんな救済策を講じてきた結果がこの有様である。

たとえば、緊急保証制度に関しては1割程度が焦げ付く可能性があり、そうなれば3兆円もの納税者の金がふっとぶ。一部ではもっと焦げ付くのでは?という声もあるらしい。

これらの政策の問題点を簡単に整理したい。

①金融規律/市場規律はどこにいった?

全うな中小企業経営者の方が多いのは当然だとしても、これらの安易な救済は明らかに困れば政府が何とかしてくれるという安易な考えを生んでいる可能性は高い。また、商工会などが政治的に圧力をかけるネタにもなるだろう。

貸し手側からも・・・
これらの制度を逆に悪用した金融機関による融資も増えているという。金融機関は格安の保証料で政府からの保証を得られるのだから、自分たちの利益のために貸すだけ貸してつぶれたら政府のせいよ。納税者さん払ってねとなっている可能性は高い。(ブロゴスファイナンスの赤松さんの記事にも現場の声が書いてある →駆け込み融資営業

②倒産は悲惨なことである。しかし、倒産・淘汰があるからこそ、市場機能を通した金・人・物の適切な資源配分が実現されるのである。政府の安易な救済策はゾンビ企業を延命させこれらの機能を阻害しているのは言うまでもない。日本経済の効率性・成長力を削いでいるのは間違いない。

③公平性の観点からも問題である。仮に中小企業が弱者である面があるとしても、なぜ中小企業だけが救済されるのか?しかもこんなに?納税者のお金をこんなにつぎ込んでいいのか?という問題はある。明確に説明できる人はいるのだろうか?

中小企業を救うのなら、俺たちも助けろ!と言い出しそうな人たちはたくさんいるだろう。そうなったら、ただでさえ財政難の政府の首が回るのだろうか?

④また、民間金融が自分で努力して、貸出先を開拓しよう、新しい金融サービスでなんとかリスクの高い貸出先にも貸し出せるようにしようと努力や工夫をするインセンティブをこれらの政府の活動は削いでいる。同時に民間による貸出先をクラウディングアウトしているし、政府系金融による格安金利での融資は金利引き下げ競争をあおることになるだろう。

⑤政府による救済は既得権益化する

確かに、中小企業は財務基盤が弱い場合もあるだろうから、リーマンショックの中で一時的に政府が貸し出しを行うというのは間違いじゃないと言えなくもない。しかし、それらは結局既得権益化する。緊急保証制度の期限は何度も延長され、2011年9月までとなっている。

⑥温情主義はプラスにはならない。

いずれ倒産する先のない企業ならば、早くつぶれたほうが経営者や従業員も新しい人生を歩みやすい。人生は若いほどやり直しが効くからだ。政府の甘い誘惑にのって借り入れを増やしたばっかりに、人生をかえってむちゃくちゃにされる経営者や従業員はきっと多いはずだ。
安易な温情主義は実は誰のためにもならないというのは人生と同じだろう。まして、最後は政府は責任はとってくれないだろう。(参考過去記事→政府と言う麻薬の売人

このように安易な中小企業救済策は明らかに問題をはらんでいる。

仮に、中小企業はフリだから多少助けるのは仕方ないとしても、中小企業向け融資の4分の1が政府によるものというのは正常と言えるだろうか?我々はもっとこの問題を厳しく監視せねばならないと思う。


もちろん、このほかにも政治家の点数稼ぎのための官民一体のインフラ輸出とかに絡んでJBICの業務範囲を拡大しようという動きも目に付く。


日本は一体どこを目指しているのだろうか?


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「小さな政府」を語ろう

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