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セブン・ファストリ提携“服”と“弁当”の共通点

報道によれば、国内小売最大手のセブン&アイ・ホールディングスと、ユニクロなどカジュアル衣料品のSPA(製造小売業)大手ファストリ(ファーストリテイリング)が提携する方針です。商品の企画、製造・販売、物流など、幅広く業務提携するといいます。「強者連合」といっていいでしょう。

ファストリCEOの柳井正さんは、かねてから、カジュアル衣料品「世界一」を目ざし、20年に売上高5兆円という目標を掲げています。14年8月期のファストリの売上高は約1兆3800億円ですから、6年で3.5倍以上にする。柳井さん得意の「大風呂敷」ですよね。

ただし、ご存じの通り、柳井さんは、ファストリの売上高が3000億円強だった03年、10年に売上高3倍強の「1兆円」とぶちあげ、13年に3年遅れながら実現した経緯があります。5兆円構想も、あながちホラとはいいきれない。

ただし、それには、“キラーコンテンツ”が必要です。

セブン&アイとファストリの提携は、海外市場とネット市場の強化が狙いといわれています。例えば、ユニクロのネット通販で購入した商品を、海外も含め、セブンの店頭で受け取れるようにするサービスを展開するといいます。

日本以上に、米国やアジアでは、通販の需要があると考えられます。ファストリは、セブンの物流網、店舗網を有効に利用できます。

セブン&アイと共同で立ち上げる新ブランドの商品は、セブン&アイが進める、ネット通販と実店舗を組み合わせたオムニチャネル戦略にとっても目玉です。

ファストリがコンビニと提携と聞いて思い出したのが、柳井さんの「服はコンビニ弁当」論です。私は、過去3回、柳井さんにインタビューしましたが、01年にインタビューした際に、「服はコンビニ弁当と同じだ」と語っていました。

「衣料品業界の人は、服だけは芸術作品みたいで特別だと思っている人が多い。そういう観点もあっていいんですが、もっと日常生活に密着した服があっていい」というのです。

いまでこそ、ファストファッションが勢力を拡大していますが、01年当時、「服はコンビニ弁当」論は、業界から異端視されていました。

今回の提携が実現すれば、ファストリの服は、まさに「コンビニ弁当」と同列に並びます。

ファストリの目ざす服とコンビニ弁当の共通点は、「誰にでも気軽に買える」すなわち、柳井さんのいうところの「ノンエイジ」「ユニセックス」ですよね。

その意味で、ファストリの服は、コンビニと相性がいい。今回の提携は“キラーコンテンツ”となり得る可能性が、十分あると思いますね。

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