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改正景品表示法のグレーゾーン-不正競争防止法との境界線(その2)

昨年11月のエントリー「改正景品表示法のグレーゾーン-不正競争防止法との境界線」の続編でございます。

すでにご承知の方もいらっしゃるかもしれませんが、外食の木曽路さんが、北新地店など3店舗で松阪牛と偽り別の和牛を使用していた産地偽装問題で、大阪区検は不正競争防止法違反(誤認惹(じゃっ)起(き))罪で、同店元料理長2人と、法人としての同社を大阪簡裁に略式起訴したそうです(産経新聞ニュースはこちらです)。
たしか三重県の弁護士の方が「景表法では甘い!松阪牛のブランドを守るためにも厳罰を!」といったことで刑事告発をしていた事件です。

昨年10月、木曽路さんは消費者庁から景表法違反で行政処分を受けていましたが、今度は不正競争防止法で刑事処分を受ける可能性が高まりました。
昨年のエントリーでも述べましたが、BtoBではなく、BtoCの取引に不正競争防止法を適用して刑事処分を行う、というのは注目すべき点あり、先日のABCマートさんの労基法違反事件とも併せて、「刑事罰リスク」が偽装事件でも高まっていることに注意が必要かと思われます。

とりわけ他社が商品ブランドを上げるために汗を流しているところへ勝手に踏み込むような優良誤認行為については、不正競争防止法による刑事罰リスクのほかに、改正景表法による(改正法施行後の)課徴金処分のリスクも存在するように思われます。不正リスクマネジメントにおいて、重大な信用毀損を招くことの意識を転換することが求められます。

また、労基法違反や景表法違反などが端緒ということになりますと、内部告発リスクも高いと考えられます。労基署や消費者庁、消費者センター等、社員が比較的安心して情報提供できる先が管轄となると、「不正はいずればれる」と思っておいたほうが良いですね。

行政処分では済まされず、法人が刑事処分を科せられるというのは、もはや法人自身による自浄能力の発揮が期待されないからでして、国民に同様の被害を与える法人が出てこないように「みせしめ」制裁による不正予防効果にしか期待がもてないからです。法人に対する規制緩和が進み事後規制社会に移行する中で、行政が国民から「不作為の違法」を問われないためには、この法人に対する刑事処分を活用する以外に良い方法はないわけで、今後も同様の対応が増えるものと予想します。

したがって(毎度同じことばかり申し上げて恐縮ですが・・・)企業のリスクマネジメントとしては、平時においては内部統制システムの構築を、そして有事においては自浄能力の発揮を心がける必要があります。なお、今国会で成立した改正不正競争防止法については、こちらのエントリーで述べたような事件もあり、コンプライアンス・プログラムの策定等、内部統制システムの構築は必須でしょうね。

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企業秘密侵害事件にみるコンプライアンス・プログラムの重要性

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