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金をつぎ込んでも教育はよくならない

イギリスは昨年大学の授業料値上げで喧々諤々だった。若さの有り余った大学生は暴徒とかし、ついにチャールズ皇太子の乗った車を襲撃(襲撃はおおげさか)する始末。

実際、うちの会社の周りのイギリス人は「こいつらはどうせたいして勉強してない。騒ぐ必要がない」なんて言っていた。イギリスではブレア元首相の政策でみんながもっと教育をと大学進学率アップに向けて取り組んできた。イギリスの大学は基本的にすべて公立。よって昔の専門学校などが名称だけ大学に変わったところも多いという。

おおーーいって感じだが、政治なんていうのはどこの国でもそんなもんらしい。そいういった大学では日本と同じように大学生とは呼べない大学生が大量に増えている。さらに、そういった新設の大学に必要な講師・教授陣も人手不足で授業もまともに行えないところもあるらしい。

当然、学生は遊びたい放題で日本同様のレジャーランドと化しているようなところもあるとか。だから、上記のイギリス人の同僚の発言につながったんだろう。

それはそうと大学授業料値上げに対する妥協案(保守党の連立相手の自民党に対する妥協案ともいえる)としてpupil premiumというのが導入されるらしい。貧困層の生徒を受け入れた学校に一人あたりに430ポンド(約5.6万円)/年を払うというものだ。

この案に対して左派のブログであるstumbling and mumblingが疑問を呈している↓。
http://stumblingandmumbling.typepad.com/stumbling_and_mumbling/2010/12/pathetic-pupil-premium.html

Pathetic pupil premium

If we assume - heroically, I’ll grant - that a similar multiple will be needed to equalize opportunity between the British poor and the likes of Clegg, then the pupil premium would have to be over £100,000 per year, more than 200 times its present value.

学校に対する支出と成績の相関性というのは薄い。

アメリカの研究では黒人の生徒と白人の生徒の機会均等を実現するためには黒人の生徒に白人の生徒よりも6−8倍のお金を投入しないといけないという研究結果がある。(なぜなら学校に対する支出と成績の相関性が高くないから)

日本でも民主党政権は高校授業料無償化だのなんだのとお金をばら撒けば教育がよくなると信じ込んでいるらしいが、こういった研究結果からするとそれはあまり有効でないらしい。

やはり教育というものにおいて家庭環境などが重要ということなのか。それとも補助金を与えられることによって受ける教育というのはどうしても受身になるから生徒の努力しようというインセンティブを削いでしまうのだろうか。

昔、本当に成績が良かった学生の中には貧しい家庭で親に勉強なんかしなくてもいいと言われていたような子供がおおかったという。一方で、そこそこ豊かで親に勉強もしなさいといわれた子供達はそこそこ程度で終わることも多かったと言うのを聞いたことがある。人生ってのは難しい。

いずれにしても、個人的にはこういった補助金を出せばいいという考えはなく、スウェーデンやアメリカで行われているようなフリースクールの制度を導入し、教育界(サプライサイド)にもっと市場機能を導入/自由化をすべきだと思っている。その結果、貧困層の子供も私立に行かなくても良質の教育を早い段階で受けることができるだろう。

むやみやたらに機会均等を目指すなんていって補助金を投入しても教育の質は上がらないということだろう。

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