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歴史における論争に関して思ふこと

「日本人としての誇りを忘れるな」という声はネット上を中心として大きい。

ま、正しいことだと思う。

だいたいの日本人は日教組のせいなのかなんなのかは知らないが日本は戦争で悪いことをした。朝鮮やシナを侵略したと教えられる。そういった一方的な視点のアンチテーゼとしてそういった動きが起こるのは自然だしとてもいいことだとも思う。

思えばそういう動きが一般に本格化したのは「新しい歴史教科書を作る会」が積極的に活動を始めたころからではないだろうか。(少なくとも僕の記憶の中では)

そのころのことを思えば・・・。

日本が一方的に何か悪いことをしたかのような歴史教育は間違えている。当時の国際情勢に照らせば日本だけが悪いことをしたわけでもないし、相対的に見れば日本の植民地政策は融和的であったといえるし、大東亜戦争にしても自存自衛のための戦争の面が強かったのだ。日本の歴史の負の部分だけじゃなくて、より肯定的に捉えながら光の部分にももっと注目していこうよ。それが日本人のための日本史というもんじゃないのか?

というようなのがその主張の主要な点であったような気がする。

それは決して人種差別的でもなければ日本は100%正しくて神のような国であったというような主張でもなかったはずだ。

いや、そもそも歴史に対して客観的に善悪などという評価を下すことは不可能だから公平で事実に基づく姿勢を貫きながら日本の歴史に対して誇りを持てるような教育/解釈をしていこうというような運動であったはずだ。

当時はまだ南京大虐殺がなかったとか憲法改正などに閣僚が言及しようものならすぐさまクビが飛ぶような時代であったような気もする。

それから10年15年と時代はすぎた。

今や憲法改正は決してタブーではない議論であるし、靖国神社参拝にしても否定する人が国民にそこまで多いとも思えない。南京事件に関してもかなり公平な議論が行える土壌が整ってきた。

多くの日本人は明治以降の日本が極悪な侵略国家だとはあまり思っていないようにも思われる。

はっきりいえば、「誇り」だのなんだのという議論に関してはかなり進歩したというのが一般的な認識ではないのだろうか?

もちろん、まだまだ十分じゃない面もあるだろう。教育の現場は日教組に握られているのかもしれない。

しかし、最近のネット上の議論を見ていると若干行き過ぎの面が強いような気がする。

*「日本人が日本人としての誇りを失ったから日本は停滞している」

ほんとうにそうだろうか?誇りだのなんだのということがそんなに重要なのだろうか?それだけで問題が解決されるわけでもない。それにそういった主張をしている多くの人間は国家の役割に重きをおき市場経済に嫌悪感を抱き日本企業のグローバルな活動にも否定的だ。要は非常に内向きなわけだ。

*「韓国人や中国人は劣等民族でどうしようもない」

こういった主張も多い。ま、実際こういうのは読んでいて面白い。しかし、別に彼らを蔑視することからは何も生まれない。人の足を引っ張ってもわれわれは豊かにはなれないからだ。

*ウヨとサヨの論争で面白いのが重箱の隅をつつきあう論争だ。日本はこういう正しいことをした!と主張する。一方で日本はこんな間違ったことをした!と反論する。

しかし、重要なことはそんな重箱の隅ツツキではない。そうではなくて何が日本の国益になるかを考え主張していくことだろう。また、教育においてはある程度歴史的事実に基づきながら、日本という国に誇りを持てる教育をしていくことだろう。

*在日が幅をきかしているからだ!

という人も多い。たしかに、朝鮮学校に金を出すなんてバカげた話だし、最近の必死の韓流ブーム作りも見ていて笑えてくるし、在日特権というのが存在するのはおかしいだろうし、厳しく糾弾されるべきだろう。しかし、それが解決したところでどれだけ日本がよくなるかというと正直疑問だ。人間のインセンティブをゆがめているのは認めるがただの分配の問題であって成長とはあまり関係ないようにも思える。

とにかく最近は歴史を細かく調べるのはいいのだが、それで日本民族は優れているのだと主張して満足しているような人たちが多いことだ。それはそれでいいことだし敬意を表するが、それだけではこれからの世の中をよくするには力不足だろう。

今の動きの原点が歴史教科書を作る会の活動などにあるとすれば、その動きをはじめのほうから応援し見ていた人間としてはなんだかなあという気持ちが最近は強い。

なぜなら、僕の実感としては誇りというのが歴史観や靖国参拝などに当てはまるのならばおそらく日本は間違いなく正しい方向に進んでいるからだ。

しかし残念ながら日本の低成長の理由のかなりの部分はそういったものに起因しているわけでもないというのが現実のところだろう。もっと世界の動きに目を向けて経済的な議論も深めるべきだ。

やはり衣食足りて礼節を知るという面もあるはずだからだ。

それから、歴史面の主張を同じやるならば、できるだけシンプルでわかりやすい主張を幅広い大衆に向かってやるべきであって、あまりに細かいそして過激な主張はそういったことに興味のない人には受け入れられないし、かえって間違えた主張や過激な主張をやっているように勘違いされるだろう。

ま、ネット上を中心にそういった動きが活発化してるのはいいことだとは思ってるんだけどね。

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