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今年の欧州はどうなる?

欧州は引き続きソブリン危機の真っ只中にある。

PIIGS
といわれる国々が財政危機にあるのは周知の事実。しかし、マーケットを良く見るともうちょっと世の中の流れが見えてくる。
この図を見てほしい。
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これは2009年末と2010年末の各国のCDS
のレベルをあらわした表だ。2009年末を100としている。
CDS
って何かっていうと、リンクを張ったのでウィキを見てほしいが、要はこの値が大きければ大きいほど市場がその国がデフォルトする可能性が高いと見ているということ。

欧州のPIIGSといわれる国だけじゃなくて、実はフランスやドイツの値も大きく上昇している。フランスなんて3倍以上だし、ドイツも2倍以上のレベルになっている。(同時に新興国がしっかりしているのに驚かされる。)

欧州の終了だ。なんていう解説をする人もいるけれども、その割には実際にはドイツ株はユーロ安を伴ってではなるが、超堅調(オランダとかもまあまあだったような気がする)という事実は見逃してはいけない。欧州そのものがだめになっていくとはマーケットは思っていないようだ。

このCDSの上昇と高止まりは、欧州の財政がより統合されていく方向にあるということを市場がかなり意識していることを示唆しているんだといえる。そのほうが株価の上昇とも整合的だ。

実際、ドイツ、スペイン、イタリア、アイルランドの株価を比較したのが下のリンクだけれども、アイルランド救済の可能性が高まった11月31日以降1月4日までの株価はドイツがギリシアを除けば下記の国の中でもっともパフォーマンスが悪いわけだ。(11月31日の株価を100として比較)

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今後はEFSF
(欧州安定化基金)の増額、欧州共同債の発行というあたりが年初からのテーマとなるだろう。(アメリカも自治体のデフォルトが懸念されてるみたいだけど、そっちのはどうなんだろ。財政のルールってどうなってるんだっけか)


欧州が財政統合に向かっていくのならばそれはそれで悪いことではないと僕は思っている。あれだけ経済の実力の違う国を集めているのだから、財政の統合さらに政治的な統合に向かうのは一つの方向性としては間違いではないだろう。


もちろん、PIIGSと呼ばれる国の多くは経済の構造面で問題を抱えている。金だけじゃなくて構造改革を内政にある程度干渉して進めないと意味がないのは言うまでもないことだし、それが行えるかは微妙だろう。

ま、そもそもはギリシアなどを安易に救済したことがそもそもの間違いだったとは言える。なし崩し的に財政統合への道を歩まざるを得ない方向性になってしまっているが、ドイツなどが国民の納得をどこまで得られるか。まだまだ波乱がありそうだし、明確なルールを作ることは利害関係がはっきりしてしまうので難しい。かといって、あいまい戦略はこうなった以上は市場の信任を損なう。

あるべき姿は救済はしないとはっきり宣言するべきということだったんだろう。もし、国内の銀行への懸念が心配ならば、ギリシアをデフォルトさせた後で銀行に資本注入などを行って救済すべきであったはずだ。

日本への政策的なインプリケーションでいえば、地方自治を究極的に推し進めれば今回の欧州のような事態が起こりうる可能性が高まるということだ。そのときに中央政府は救済はしませんよとはっきりといえるのだろうか。その事前段階で財政赤字はダメよと言っても急激な税収の落ち込みというのは起こりうるだろう。難しい問題だ。

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