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リフレに対する素朴な疑問(7) インフレになっても生活はよくならない

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リフレ派にもいろいろいるみたいなんだけど、とにかくデフレ(物価下落)から脱却してインフレ(物価上昇)になれば経済がよくなる。いや、自分達の生活がよくなると信じている/なんとなくそう思っている人たちもたくさんいるらしい。

イギリスはインフレ率が高い国だ。イギリスに住んでまだ数年だが、思うのはインフレ率が高い世界の生活はそれはそれでやはり苦しい。最近は不況(ようやく明るくなってきたけどね)なのにインフレ率は下がらない。名目ベースの給料は減っているからダブルパンチ。給与が上がっていても特に家賃や公共料金は給与の伸びを上回って上昇を続けるからたまったもんじゃない。

インフレを経験したことがなく論理的に物事を考えない人にとってはインフレはたとえ経済成長がおいついてなくてもバラ色の世界らしいが、実際、両方を経験した人間としてはどっちもどっちだ。日本の安くておいしい牛丼がなつかしい。イギリスの高くて気づいたら値上がりしてたりするまずいパブ飯は勘弁してほしい。という感じ。

実際、リフレ派のほとんどはインフレが来ても自分達の賃金が上がらなければ文句を又言うだろう。今度はインフレを抑制しろと。その根本の発想は経済を人為的に操作せよという社会主義なものであるからだ。

じゃあ、本当にインフレが到来したら実質賃金は上昇するのだろうか?あるいはインフレが来ないまでもデフレがよりマイルドになれば(今でもマイルドなデフレだが・・)実質賃金は上昇するのだろうか?過去の数字をグラフにとってみよう。(実質賃金とはインフレを考慮した後の賃金のこと/シンプルにいえば真の購買力とでも言えばいいか)

このグラフを見てほしい。

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この図は横軸がCPI(全国総合)の前年比の伸び率。縦軸に実質給与の前年比の伸び率を取ったものだ。

(賃金に関しては国税庁のデータからその年1年勤続者の平均給与を。実質賃金を算出するためのインフレ率にGDPデフレーターを使用した。データは1991年から2009年のもの)

このグラフからはCPIの伸び率は実質賃金の上昇率にはなんの関係性もないようにしか見えるが、どうだろうか?

実際、相関係数は0.53でしかない。(ちなみにリーマンショックの影響を受けた2009年とバブルの余韻が残った1991年(右上の点と左下の点)を特殊な状態と考えて除くと相関係数は-0.02になってしまい、CPIと賃金はまったく関係がないことになってしまう。

では、実質賃金と実質成長率の関係性を表したグラフを取ってみるとどうなるだろうか?

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今度は横軸が実質経済成長率。縦軸が実質給与の伸び率だ。どうだろう?こちらのほうがよほど関係性があるように見えないだろうか?

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