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次の危機が近づきつつある-1

過去数年間…。黒田異次元緩和に始まりECB(欧州中央銀行)によるQE…。各国中銀がこぞって金融緩和を積極的に行ってきた。

リフレ派に言わせれば素晴らしい。これで世界経済は安泰だというところだっただろう。

だが、インフレは低いまま経済成長も毎年のように各国とも予想を下回り続けているのが現状で、金融緩和の効果はほとんど出ていない。というよりもそもそも効果などあまりない。

唯一株価は上昇し続けている。これは金融緩和の効果ももちろんあるだろうが、各国ともに労働分配率 が低下していることがもう一方の大きな要因でもある。おおざっぱにいえば同じ経済成長でも労働者への分配が減り株主への還元が増えれば当然株価は上がるというわけだ。




(労働分配率 アメリカ)

↑はアメリカのグラフだが日本でも過去20年来の低水準に落ち込んでおり同様の傾向は多くの先進国で見られる。

このあたりの話は以前からしてきてしそもそも金融緩和で経済が良くなるなんていうのは嘘八百だと書いてきたがまさにその通りに進んでいるようだし労働者はますます厳しい状況に追い込まれている。

当然、過剰な金融緩和はバブルを引き起こす。アメリカの失業率は5%代前半に入ってきているが、リーマンショック前に同水準に失業率が低下してきて時には すでにアメリカの政策金利は5%に近かった。今はゼロである。いかに異常な金融緩和が行われているのか。そしてそれがとうとうバブルにつながっているのか というのがよくわかる。アメリカの株価は歴史的に見て異常な割高水準にある。日本や欧州もそうだ。




(↑シラーPERという指標だがITバブル期を除けば歴史的高水準にある)

勿論、そもそもベースの潜在成長率がかなり落ちているので(日本はおそらくゼロかマイナスだろうしアメリカですら1%台の可能性が高い)多くの人はどこがバブルなのと思うだろうがおそらく今はバブルと考えるほうがいい。

そのバブルの破裂の兆候がちらほら見えてきているのが最近の動きだ。

バブルといえば中国株だがこちらは先行して大きく下落し始めている。(中国株はリーマンショック前に急騰し大きく下落した。なんか同じ絵を見ているような気がしているのは僕だけではないだろう)

また原油を初めてとするコモデティ価格の下落も止まらない。コモデティ価格の指数はリーマンショック後の水準まで沈んでしまっている。そして資源国や新興国通貨の下落も著しいしエネルギー、資源関連の企業の株価も世界的に下落傾向が止まらない状態になっている。

なぜ、コモデティ価格が下落するのか?それは過去数年にわたって過度な金融緩和と楽観的な経済見通し(新興国はこれからどんどん発展するという見通しや先 進国もリーマン前の経済成長を取り戻すという誤った見通し)に基づいて商品価格は高騰してきた。がそれらが現実にはまったく実現されておらずそれどころか 昨年来じわじわと世界経済の成長鈍化が明らかになってきていることから需要不足と供給過多に陥っているからだ。

ここまでは金融緩和でそうはいっても世界経済の成長は期待外れではあるが悪くはないレベルに保たれてきた。企業は労働分配率を低下させることでなんとか利 益を伸ばし株価は金融緩和もあって上昇し続けてきた。だがその前提条件は今までよりも強い経済成長が今後実現するというものだった。だが、現実はそろそろ 景気が悪化する方向に向かっているのだ。これまで膨張した資産価格の調整、過剰投資が行われてきたセクターにおける淘汰が始まることは想像に難くないだろ う。すでにその兆候は出始めていると考えるべきだ。次回以降でもう少しいろいろ見ていきたいと思うのでお付き合いいただければと思う。

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