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「フィリピン残留日本人二世問題」―代表団来日 救済要請―

日本財団の重点活動の一つに、海外在留日本人への支援活動がある。

南米では病院や福祉施設の建設、優秀な学生への奨学金制度等、今も支援が継続されている。

戦後フィリピンに暮らす残留日本人二世のうち、1200人余りが無国籍のまま厳しい生活を余儀なくされている。現在の平均年齢は76歳で、いつの日か国籍を取得し、日本人としての誇りを持って余生を送りたいと願っている。

日本財団では2007年から2015年の8年間にわたり、約3億5千万円の費用をかけて157名の方々の残留日本人二世の国籍取得に協力してきた。しかし、残された1200名の国籍取得は、裁判所に証拠として提出できる物証がほとんど存在せず、苦難を強いられている。

この度、日本財団の招待で、フィリピン日系人連合会のカルロス寺岡(84歳)さんを団長に、各地の日系人会の幹部の皆さん7名が、在フィリピンの27,943名の救済要請の署名簿と安倍総理大臣宛の「要望書」を持参して来日された。幸いなことに、7月20日の「海の日」に挨拶された総理に直接面会をお願いしたところ、ご多忙の中、24日午後4時10分においで下さいとの連絡を受けた。

代表団の皆さんは、この予定外の知らせに大いに驚き、感激された。総理はカルロス寺岡さんの陳上書の読み上げを真剣なまなざしでお聞きになり、代表団の前に立たれ、次のように話された。

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「戦後フィリピンに残された残留日系人の皆様、戦後の困難な状況の中、大変つらい思いをしてこられたと思います。日本人としてのアイデンティティを取得したいという想いは当然だと思います。今日まで、日本財団をはじめ様々なご尽力をいただいてきたと思いますが、70年を迎える中、政府としても要望にこたえられるようしっかりと協力をさせていただきたいと思います。皆様が70年間の困難な道のりを歩んできたことに想いをいたしつつ、日本国としてもご苦労に報いていきたいと思っております」との主旨の発言をされた。

総理は27.943名の厚さ10cm以上もある大部の署名簿もご自身で受け取られ、写真撮影にも応じて下さり、一人一人と握手をされ、「元気でお過ごしください」との言葉を残して退出された。

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カルロス氏が安倍総理に分厚い署名を手渡し

一同、官邸退出後も興奮冷めやらず、口々に感謝の言葉を述べて下さいましたが、当方としては至極当然のお手伝いで、もう少し早く総理にこの問題を話すべきであったと反省しきりである。ただ、物事はきっちりと積み上げ方式で関係省庁の協力と理解を得ながら進めることが筋だと思っているので、政治決断をいただくのは最後の最後であるべきとも考えていた。

フィリピン残留日本人二世の日本国籍取得問題はようやく大きく動き出したが、一日も早く日本人としての誇りを持って余生を過ごせるよう、これから日本財団では、政府と協力して全面解決へ支援・協力していきたい。

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