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日本の社長の多くは井の中の蛙

東芝問題で思うのは、日本の経営者、とくに大企業の経営者の多くが社内政治でのし上がってきたことである。対対外的な活動をしたといっても、官公庁との折衝だったりする。かつての金融機関のMOF担と大差ない。

東芝の主力業務が何であるのか(何で儲けているのか)、株式としての東芝への関心が皆無だから知らないが、電力関係の事業が大黒柱だったことは確かだろう。そんな事業を国内でできる企業は限定されるから、いかに行政に取り入るか、また行政とつるんできた電力会社を抱いかに巻き込むのかにかかっている。企業間の技術力に大差ないとすれば(大差ないはずだが)、後は政治力である。経営力ではない。

視点を変えると、先日もある会合で話題になったのだが、「経団連ってまったく面白くない組織だね」とのことである。10数年前の数年間、経団連のある部会に参加し、発言した経験からしても、経団連では日本経済全体を考えての議論が乏しい。我田引水の議論にほとんど終始している。だから退屈なので、要らぬ発言をついしてしまうのだが。

面白かったのが、そんな中でも「真っ当な発言をする企業」が存在することである。当時、日本生命の資産運用を統括する者として思ったのは、「株式をはじめとして、売るべき・疎遠にしてかまわない会社と、買うべき・付き合いを深めるべき会社がある」とのことである。しかし、そんな真っ当な企業は全体の1割位でしかない。

要するに、日本の多くの大企業はグルになって(団体になって)しか行動できない。個として自立していないわけだ。東芝は多分、リーマンショックと原発事故を経て、頼れる先、団体行動できる先が少なくなったのだろう。だから焦り(シャープのようになりたくないから)、それが極端な行動に出てしまう下地となったのだと思う。

ついでに思い出すのは、日経の「私の履歴書」に登場する経営者の多くがつまらないことである。10日目くらいまでは、「こんなにして会社に入ったんや」と興味深いが、その後は読むに耐えない。どうでもいいのである。これが日本の大会社の現状なのだろう。そんな社長の自慢話よりも、今月の浅丘ルリ子の方が、芸能界にほとんど関心のない僕としても、何十倍と楽しめる。

目を海外に転じると、アメリカ企業のダイナミクスに驚いてしまう。経営者は個としても素晴らしい。海の向こうのこのような大物すなわち怪物に、日本の小物蛙が食われるのは当然のように思えてならない。経済産業省や金融庁が日本企業の組織を議論する前に、日本の経営者の資質について議論したほうが、よほど建設的だと思う次第である。

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