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ギリシャ危機、こうなるとわかっていてもやめられないEUの正念場とは?

好調だった株式市場の動きが、不穏な動きを見せている。上海市場の総合指数が8%安と、一時、急落したのだ。さらにギリシャ危機も加わり、日経平均株価も2万円を割り込むなど、乱高下する不安定な動きになっている。

ギリシャ危機の発端は、財政危機に陥っているギリシャが、EUからの財政緊縮策を受け入れるか否かの国民投票を行なったことにある。結果は、反対が賛成を大きく上回った。チプラス首相は、国民投票で示された民意を後ろ盾に、EU側と金融支援を巡る協議に臨むというが、先行きは不透明である。

ギリシャ問題は、すなわちEU問題だ。「そもそも、ユーロという共通通貨を作ったことが問題」と榊原英資さんは言う。榊原さんは、「ミスター円」の異名をとり、国際金融の世界で信仰に近い信頼を得ているエコノミストだ。

それぞれの国の通貨があった時代なら、例えばドイツ経済がよく、ギリシャ経済が悪いと、マルク高・ドラクマ安となった。するとギリシャ国民は、「ドイツ製品は高い」というので、他の国の製品を買うようになる。ドイツからギリシャへの輸出は減るのだ。逆にドイツでは、安いギリシャ製品の消費が増え、ギリシャからドイツへの輸出は増える。結果、ギリシャ経済は上向きになり、ドラクマは上がりだす。長期的に見れば、こうして調整されていくのだ。

ところが共通通貨ユーロになった今、この調整が効かない。EUは、通貨は統合したが、財政の統合はなされていない。元総務大臣の竹中平蔵さんは、「通貨だけ統合するというのは、理論的に無理で、誰が考えても無茶」と言い切っている。ギリシャだけが悪者ではなく、EUの構造にも問題があるというわけだ。だが、ヨーロッパには経済的なリスクよりも、戦争に明け暮れた時代を過去のものとし、同じ屋根の下にいたいという想いが非常に強いのだという。だからこそ何度危機に陥っても、すぐに「失敗」だと認めないのだ。

EUは財政統合、さらには本格統合に向かっている。「ギリシャ危機は長い道程の一里塚、長期戦を覚悟してやるだろう。それがヨーロッパだ」、と榊原さんも竹中さんも口をそろえる。今回のギリシャ危機は、そういう意味で、ヨーロッパという地域の歴史、文化まで考えなければならない問題なのだ。

これらの発言は、先日発刊した僕の新刊、『絶対こうなる!日本経済 ここが正念場!』で語ってくれた内容だ。それにしても、物事の成否を見るスパンが、日本とはまるで違うことに驚かされる。

だが、そもそも日本にも「国家百年の計」という言葉があった。現代の日本の政治家には、この言葉を思い出してほしい。このところの日本の政局をみるにつけ、僕は強く思うのである。

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