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- 2011年03月18日 02:51
新興国 VS 先進国 (7)コスト・プラス・モデルを追放したアジア&新興国
技術革新は、destructive=破壊的である。
技術革新は効率性をもたらす。
技術革新は、モノの世界だけにとどまらない。ビジネス・モデルの世界にも決定的な影響をもたらす。
良い物を造ればその価値を認められて売れて利益が出る、という考え方を根本から変えつつある。
良い物・・・・良い材料・高価な材料 + 良い職人 + 丁寧な少量製造 + 高いマージン = 高い価格
これが成立するビジネス領域が大幅に縮小している。
そこそこ使える物・・・ありふれた素材 + 機械による大量生産 + 薄いマージン = より多くの人が入手できる安価な値段
こちらのビジネス・モデルが世界中を席巻している。
前者は、伝統的なコスト・プラス・モデルと言われる。
これだけが原価だから、それに私の利益をこれだけ上乗せして、この価格で買ってもらいましょう。嫌なら別へ行ってください。でも手に入りませんよ・・・このコスト・プラス・モデルが加速度的に追放されている。
背景には、アジア&新興国の躍進がある。昔は、「嫌なら別へ行ってください。でも手に入りませんよ」と言われて、他の供給者を探しても本当に代替供給者がいなかった。
しかし、現在で、「はい、私があなたの欲しい値段で造りましょう!」と名乗り出るアジア&新興国の企業が増加したのだ。
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同時に新しいビジネス・モデルも、アジア&新興国の勃興とは別ルートで発展していた。
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上記のような流れと、アジア新興国の製造業の品質向上が合わさって結実してきたのが最近の状況だ。
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欧米で勃興した新ビジネス・モデル +アジア新興国の製造業の品質向上
これが、コスト・プラス・モデルを追放した
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長々と上記に書いたことを図にすれば・・・・
前回、新興国における重厚長大産業のTake Offと、先進国の高度に発展したIT、サービス、軽薄短小のビジネスの深化を書いたが、その図が下の最初の図だ
2番目の図が、ハードを買って、その後にソフトを買って、便益を享受するために、ハード企業とソフト企業のそれぞれに対価を支払うユーザーの様子
この場合(特に企業が何かをシステム化する場合)のユーザーの現金支払いの流れ図
1.当初支払い金額が大きい。
2.ソフトウェアは、多くの場合、顧客の独自仕様へのカスタマイズという作業に長い時間と多くの費用を要する。
3.その後も結構高額な年次のチャージをソフト提供企業に払うのが一般的。
上記の状態に対して、ユーザーは、何かおかしいと感じていた。
だから、全体を取り仕切るコーディネーターの役割が大きくなっていった。
下図は・・・・
上段:新しいビジネス・モデルでの、ユーザーの料金支払いの流れ(月額定額)
下段:旧来のビジネス・モデルでの、ユーザーの料金支払いの流れ
技術革新は効率性をもたらす。
換言すれば、技術革新は昨日まで効率的であると賞賛されていたモノ・企業・手法・国を、今日からは非効率で時代遅れなモノ・企業・手法・国にたたき落とす。
技術革新は、こういう意味で破壊的なパワーを持つ。
技術革新は、こういう意味で破壊的なパワーを持つ。
発明、創意工夫、これらは全て「何かをする時に、その作業効率や快適性、充実感、満足感を改善させる」目的でなされてきた。技術革新もその範疇の一つにすぎない。
技術革新は、無理、ムラ、無駄を改善するだけではない。
もっと役に立つ55を得るために、まだ役に立つ45を強制退去させる。
( 問題となることは、効率性を「経済効率=お金」という物差しで計測判定してしまうことだが、それは今日は問わない )
もっと役に立つ55を得るために、まだ役に立つ45を強制退去させる。
( 問題となることは、効率性を「経済効率=お金」という物差しで計測判定してしまうことだが、それは今日は問わない )
技術革新は、モノの世界だけにとどまらない。ビジネス・モデルの世界にも決定的な影響をもたらす。
良い物を造ればその価値を認められて売れて利益が出る、という考え方を根本から変えつつある。
良い物・・・・良い材料・高価な材料 + 良い職人 + 丁寧な少量製造 + 高いマージン = 高い価格
これが成立するビジネス領域が大幅に縮小している。
そこそこ使える物・・・ありふれた素材 + 機械による大量生産 + 薄いマージン = より多くの人が入手できる安価な値段
こちらのビジネス・モデルが世界中を席巻している。
前者は、伝統的なコスト・プラス・モデルと言われる。
これだけが原価だから、それに私の利益をこれだけ上乗せして、この価格で買ってもらいましょう。嫌なら別へ行ってください。でも手に入りませんよ・・・このコスト・プラス・モデルが加速度的に追放されている。
背景には、アジア&新興国の躍進がある。昔は、「嫌なら別へ行ってください。でも手に入りませんよ」と言われて、他の供給者を探しても本当に代替供給者がいなかった。
しかし、現在で、「はい、私があなたの欲しい値段で造りましょう!」と名乗り出るアジア&新興国の企業が増加したのだ。
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同時に新しいビジネス・モデルも、アジア&新興国の勃興とは別ルートで発展していた。
<< コスト・プラスの敗退 >>
(1)1990年代に一般人が使う携帯電話出現した時、高額な端末(ハード)価格(最初は30万円だったと記憶)が障害となって携帯電話が普及しない事態を避けるために、端末(ハード)価格を分割で回収する手法が大々的に導入された。
いわゆる2年縛り契約に代表される「端末価格+通信料金」のセット販売である。
いわゆる2年縛り契約に代表される「端末価格+通信料金」のセット販売である。
通信会社による端末買い取が主流の日本では、販売奨励金を利用した値引きにより、「1円ケータイ」まで出現した。
(2)2004年ごろからUSを中心に「SAAS=Software Aa A Service」という考え方が急速に拡大した。
顧客は「Softwareによってもたらされる利便性に対価を払う」のであって、ハードやソフトを所有することに対価を払うのではない。
ましてやSoftwareを購入してから実際に使い始めるまでに多額の費用が必要になるとか、ユーザーが使い始めるまでに6か月以上も時間を要するなどという事は間違っているという考え方が増加した。Salesforece.comはその急先鋒だ。
ましてやSoftwareを購入してから実際に使い始めるまでに多額の費用が必要になるとか、ユーザーが使い始めるまでに6か月以上も時間を要するなどという事は間違っているという考え方が増加した。Salesforece.comはその急先鋒だ。
前者は消費者分野で起こり、後者は企業分野で発生した。
両者は大きな流れとなって、「ハード+ソフト」で提供される「便益が商品」という考え方を増殖させた。そして、当初に高額な負担が必要という理由で購入・導入をためらっていた人や企業が、新ビジネス・モデルである「便益の購入」という仕組みを利用して次々と便益を購入した。
両者は大きな流れとなって、「ハード+ソフト」で提供される「便益が商品」という考え方を増殖させた。そして、当初に高額な負担が必要という理由で購入・導入をためらっていた人や企業が、新ビジネス・モデルである「便益の購入」という仕組みを利用して次々と便益を購入した。
それは、ハードウェアとソフトウェア、通信費、保守サービスをパッケージ化した上での支払い金額の月額化(=平準化)となった。
ユーザーは、そのパッケージから享受できる便益に対して「毎月**円から購入に値する」という判断をするようになった。
これは、「物&サービス・コスト+利益」という考え方から、受け入れ可能額で「便益(ハードウェアとソフトウェア、通信費、保守サービスをパッケージ化)」を提供する方法をビジネス的に考えるように変わった。
ユーザーは、そのパッケージから享受できる便益に対して「毎月**円から購入に値する」という判断をするようになった。
これは、「物&サービス・コスト+利益」という考え方から、受け入れ可能額で「便益(ハードウェアとソフトウェア、通信費、保守サービスをパッケージ化)」を提供する方法をビジネス的に考えるように変わった。
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上記のような流れと、アジア新興国の製造業の品質向上が合わさって結実してきたのが最近の状況だ。
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欧米で勃興した新ビジネス・モデル +アジア新興国の製造業の品質向上
これが、コスト・プラス・モデルを追放した
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長々と上記に書いたことを図にすれば・・・・
前回、新興国における重厚長大産業のTake Offと、先進国の高度に発展したIT、サービス、軽薄短小のビジネスの深化を書いたが、その図が下の最初の図だ
2番目の図が、ハードを買って、その後にソフトを買って、便益を享受するために、ハード企業とソフト企業のそれぞれに対価を支払うユーザーの様子
この場合(特に企業が何かをシステム化する場合)のユーザーの現金支払いの流れ図
1.当初支払い金額が大きい。
2.ソフトウェアは、多くの場合、顧客の独自仕様へのカスタマイズという作業に長い時間と多くの費用を要する。
3.その後も結構高額な年次のチャージをソフト提供企業に払うのが一般的。
上記の状態に対して、ユーザーは、何かおかしいと感じていた。
だから、全体を取り仕切るコーディネーターの役割が大きくなっていった。
<< ネット世界のプラットフォーマーの躍進 >>
パッケージ全体のコーディネーターの下で、ハードウェアとソフトウェア、通信費、保守サービスのそれぞれのパーツを担当する企業が最適に組み合わされ、顧客に低価格で「月額便益サービス」を提供するという世界分業体制が構築されている。
個別で独立した対価をユーザーに請求するなど、もう通用しない。
ユーザーがパッケージに対して支払った金額がすべてだ。
その配分に際して、熾烈なせめぎ合いが繰り広げられている。
ハードウェア、ソフトウェア、その他という三分類できるが、個々の事情は異なっている。
ユーザーがパッケージに対して支払った金額がすべてだ。
その配分に際して、熾烈なせめぎ合いが繰り広げられている。
ハードウェア、ソフトウェア、その他という三分類できるが、個々の事情は異なっている。
ハードウェアの提供企業は欧米先進国、アジア、新興国が入り乱れて熾烈な価格競争が演じられている。新規に参入するアジアや新興国企業が低価格を提示するので、各社とも薄いマージンを数量でカバーする厳しい状態に置かれている。ハードウェアに関しては、どの企業から購入しても同じであることが過当競争と価格戦争の原因になっている。
一方ソフトウェアの提供企業は数が限られていること、A社のソフトをB社のソフトに変えるに際しては、メモリー・カードの差し替えのように単純には行かなず、代替性が低いのだ。ライバルの少なさと代替のハードルの高さゆえにソフトウェア企業のほうが高いマージンを享受している。
その結果、中国以外では、プラットフォーマーとソフトウェアは欧米企業、ハードウェアはアジア企業という組み合わせが多くみられる。
中国では欧米のプラットフォーマーのアイディアを流用した国内のプラットフォーマー&ソフトウェア企業が独自に台頭している。これは中国国内だけで4億人のユーザー・ベースがあるので、1カ国でビジネスを支えるだけの収益基盤が存在するという中国の独自性ゆえである
下は、ユーザーが支払ったパッケージ料金が、プラットフォーム・コーディネーターによって分配される様子
下は、ユーザーが支払ったパッケージ料金が、プラットフォーム・コーディネーターによって分配される様子
下図は・・・・
上段:新しいビジネス・モデルでの、ユーザーの料金支払いの流れ(月額定額)
下段:旧来のビジネス・モデルでの、ユーザーの料金支払いの流れ



