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農協法の改正は、多くの課題を抱える日本農業をまず考えた上で検討すべき

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国務大臣(林芳正君) これはどこかで線を引きませんと、あらゆる大きな法人まで全部ということになりますと、先ほど申し上げましたように協同組合のそもそもの趣旨というのがございますので、競争力等が比較的弱小な方が集まることによってバーゲニングパワーを付けていくというのが協同組合の本旨であろうと、こういうふうに思います。

そのことによって先ほど山田先生がおっしゃったようないろんな優遇措置が設けられているということ等鑑みますと、この三百人、三億が、例えば一万人、一万人という企業がいるかどうか分かりませんが、物すごく大きな企業になっても、先ほど言ったような法人税や固定資産税、独禁法の除外適用等々が成るということになりますと、今度は競争条件の確保ということも出てまいりますので、どこかで線を引かなければいけないと。

 例が適当かどうか分かりませんけれども、中小企業の政策というのも、どこかで線を引いて中小企業にのみ特例的に適用される政策をやっていく、これは卒業という概念がありますけれども、大きくなっていった方はそれなりにこういう優遇措置なしで頑張ってもらう、そういう仕組みになっておりますので、個々に協同組合ということであれば、おのずとどこかで線を引くということでありますが、農政全般であれば、同じようにいろんな施策の適用になると、こういうことがあろうかと、こういうふうに考えております。

山田太郎君 私も、この委員になってさんざん現場を回ったり、個別でも回っていろんな農協の方とお話しさせていただきました。最近、この改革を逆に考えると何となく思いますのは、何でもかんでも逆に農協のせいにしてしまっているのかなといったところもちょっと感じたりするんですね。

これどういうことかといいますと、実は、農協は今、かつての農協よりも今の農協は非常に厳しいんだなということをいろいろな地域でかいま見てまいりました。

 どうしてかというと、例えば施設園芸とかで、あるいは果実ですごく付加価値が高いものは直接引取りに来たりするので、結局農協を経由しない。

どちらかというと、農協が頑張って扱っているのは、最初から土地利用型でなかなかもうからない、利益率が出ない、こういったものがどんどんどんどん扱う比率として高まっているということも、これ全てではありません、いろいろ特化している農協さんなんかは別のやり方をされていますが。

でも、全般的にいうと、やはり穀物系というんですか、土地利用型で極めて利益が出にくいところを農協が担当しているというようなところにおいて、農協の在り方、農協さえ変わればじゃ日本の農業変わるのかというと、それも短絡的だというふうに思っておりまして。

 そんな中で、もうからない農協がどういうふうになるかということでさんざん議論はあったと思うんですが、いわゆる信用事業と経済事業との連携で補填するしないという話も出てきたりするわけだと思いますが、結局、何でそんな話になっているかというと、何度も繰り返しになりますが、やっぱり政府なりが農協に負わせる役割というものがやっぱり中途半端というか。

あるときには自主的機関だから自活してもうけろと言うけれども、実際には、自給率を上げるために、米なんかも維持するために、農協さん、それをうまくコントロールして売ってくれよと。

これでは農協もどっちに向かっていいか分からないということにもなりかねないと思うんですね。

 そうなると、じゃ、私はどう考えればいいのかというと、もう農協の持っている役割というのは、利益を上げていく団体というよりも、やっぱり地域の協同組合という役割が現実的に大きいと。ただ、そんな中で、しっかりでも位置付けなきゃいけないとすると、もう農協という看板から地域協同組合という看板にして、どうやって要は政策とコラボしていくのか、その辺りもすごく重要だと思うんですが、私は、そこまで踏み込まないと今回の改革は、先ほどから言っているように、ここが問題だ、あそこが問題だということを何かモグラたたきしていることにすぎないのかなと、こんなふうにも思うわけなんですね。

 そういう意味で、今回はこういう形で一つ、私としては中途半端な改革をされたんだと政府は思います。

何もしないよりやった方がいいと思いますので、一つ、一歩前進なのかもしれませんが、今後どう持っていくのか。

これは実は、紙議員からも、今後どう持っていくか分からないと不安だというような、ちょっと似たような質問になるかもしれませんが、私は地域協同組合としての位置付け。

そうなってくると、政府が言っている、農協は個別にこれからちゃんと利益を出していきなさいというメッセージではないかもしれないと思っていまして、方向感、今後すごく大事だと思っているんですが、その辺り、農水大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(林芳正君) 先ほど局長から、五年の見直しということについて答弁をしたとおりでございます。法律上はただ見直すということでございますから、その後どうこうするということがこの法律の条文上書いてあるわけではないわけでございますが、やはり今回、先ほど申し上げましたように、まず協同組合であるということ、それから農業者の協同組合であることという原則、原点に返るという言い方を私もさせていただいたわけですが、そこは大切にしたいと、こういうふうに思っておりますので。

 委員がおっしゃる地域の協同組合というのがどういう意味か必ずしも判然としないところもございますが、やはり農業者の協同組合であるというところは基本的な枠組みとしてはなかなか外せないのではないのかなと。したがって、やはり所得の向上のための生産物の有利販売と資材の有利購入、ここが中心になってしっかりとやっていくということが中心になってくるのではないのかなと、こういうふうに思っておりますが。

 私も五年後にこの職におるかどうかも分かりませんし、そのときの行政、そして政府、また国会でしっかりと議論をして、こういう改革を、もし法律を成立させていただいて、この改革が五年後に成果を上げていることを期待をするところでございますが、それを踏まえて、しっかりとそのときに議論すべきことではないかと、こういうふうに考えております。

山田太郎君 私は、農協が今後、地域の協同組合でいくのか、農業協同組合でいくのかは大きな違いが実は出てくるというふうに本当は思っていまして、もう既に、事実上地域の協同組合なんじゃないかな、これはと。

そうであれば、准組も要は組合員も余り関係ない話でありまして。

ただ、イコールフッティングですよね、現地で農協という、もしかしたら地域の協同組合が大き過ぎてほかの民業を圧迫しているということが仮にあれば、それは看過できないので、独禁法に当たるのか何に当たるのか、その辺りだけ考えていけば、もう事実に対して役割をきちっと農協、地域協同組合として与えていった方が、方向性として何か准組は良くないんだとか何とかというような混乱した議論しなくて済むような私は気がしておりまして、あるときには農協は農業のためだからといって、何となく農林水産省さんの使いっぱとは言いませんけれども、触手の先みたいな、で、あるときには自主的にやってくれよというのは、私は、これはもう農協からは混乱するのかなと思っているので、本当は政策的にはぱっちしした方がいいと思っています。

 最後に、時間がそろそろ来ましたので最後に質問したいのは、とはいうものの、最大の一つ、農協さんのこれまでの問題は、私はやっぱり監査の問題ってどうしても残っていると思っています。

 今後の仕組みがそれでうまくいくかどうかというのはこの監査体制がどうあるかということに係ると思いますが、余り、農協さんも組織ですし、大きいので、いろんな事件があるということについてここでつまびらかにすることがいいか分かりませんが、二〇一五年に入ってからも、例えばある農協さんで三千五百万円の着服があったりとか、三千六百万円の着服、もう毎月のように数千万単位の事故が起こっておりまして、やっぱりこれを確かに報道等でちらほらと見ておりますと、どこかの金融機関よりもはるかにちょっといわゆる管理というか監査、緩いかなと思っております。

 今回の改革において、農協さんの名誉のためにも、今後新たな展開を迎えるためにも、本当にこういうことが起こらないような監査体制に具体的になるのかどうか。

特に、金融部門における問題が非常に多いので、本来であれば、金融庁のその部分についてはきちっと監査を受ける、又は公認会計士が受けてもいいんですが、そうであれば、私も上場企業やっていましたけれども、有価証券報告書ベースの、つまり、出口がきちっと整理されていないと、幾ら監査法人を入れたって、別に罰則が何だという話になってしまいますので、要は具体的なきちっとした開示義務というものをどういうふうに置いていて、何が罪になるのかということをやっぱり法律でプラス作っていかないと、なかなか、監査、監査で監査法人を入れても、あるいは公認会計士を入れても変わらないのではないかなという感じはするんですが、その辺りはいかがですか。

国務大臣(林芳正君) この全中の監査の義務付けを廃止をいたしまして、公認会計士の会計監査を義務付けるということをこの改革の中でやることになっておりますが、先ほど申し上げましたように、農協の数が七百農協ということで、一農協の貯金量規模が大きくなりまして、平均千二百九十億円でございます。

中には一兆円を超えるところも出てきておると、こういうことでございますので、やはりほかの金融機関、特に地域の金融機関である信金、信組と、こういうところと同様の会計監査体制を取るということが今後も信用事業を安定的に継続できるようにするためにも必要であると、こういう判断をしたところでございます。

 したがって、今度は公認会計士の会計監査、金融庁ということでございますが、スムーズに移行できるための配慮規定というのもございますので、今委員から御指摘のあったところも含めて、しっかりとそこの検討の中で考えてまいりたいと、こういうふうに思っております。

山田太郎君 時間になったので、終わりにしたいと思います。

 ありがとうございました。

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