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農協法の改正は、多くの課題を抱える日本農業をまず考えた上で検討すべき

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副大臣(二之湯智君) 個別の課税額や非課税額については、総務省は課税官庁でございませんので、実態は把握しておりません。

 しかし、地方税法上どれぐらいの非課税額あるいは課税額ということは守秘義務が課されておりますので、従来から答弁を差し控えさせていただいております。

山田太郎君 じゃ、一点だけお聞きしたいんですが、課税額の具体的な額については聞きませんが、実際には固定資産の優遇が行われているかどうか、その点だけ教えていただけないですか。

副大臣(二之湯智君) 現行、今、非課税額としては存在をいたしております。

山田太郎君 後でしっかり議論をしたいと思ったんですが、私、農協は確かに地域における協同性それから地域創生の要であると、これはもっともだというふうに思っております。

そういう意味で、もしかしたら地域協同組合としての性格に変遷していくということも本来農協のあるべき大きな変更なのかなと。

 ただ、そうなってくると、やっぱり地域に根差しているわけですから、地域の一番、税金である固定資産税払っていくというのも、実はこれは非常に重要な改革なんじゃないかなというふうにも思っておりまして、販売とか購買に対して農家が恩恵を受けるということは、それはそうだと思いますが、それでも、今度は地域に対して貢献するんであれば地域の税金はきちっと払っていく、これは一つ考え方なのではないかなと思うんですが、その辺り、これは農水大臣なのか、あるいは地域の政策として総務省の方答えていただけるのか、ちょっとどなたか政府の方でお願いします。

国務大臣(林芳正君) 大変整理された御議論を今いただいたと思っておりますが、独禁法、法人税、配当課税、生損保の兼業、固定資産税と、こういうことが挙げられておりますが、基本的な頭の整理として、農協の改革はこの法人格を協同組合から株式会社にするという改革ではないということでございます。

 したがって、その趣旨にのっとって、協同組合として、農業者の協同組合という原点に返るという議論を先ほどさせていただきましたように、協同組合であること自体について何か変えようということではないわけでございますので、先ほど先生からお話のあったような点につきましては、協同組合というのは実は通則法がないものですからそれぞれの協同組合法で決めるということになりますが、いわゆる協同組合というものについては共通してそういうことが許されていると、こういうふうに理解をしておりますので、その基本的なところは、この農業協同組合の改革という趣旨に鑑みて残すべきところは残すと、こういう整理ではないかというふうに思っております。

山田太郎君 総務副大臣の方はお忙しいでしょうから、関連はここまでですので、委員長の許可があれば御退席いただければと思っています。

委員長(山田俊男君) 二之湯総務副大臣、時間がなければ結構でございます。ありがとうございました。

山田太郎君 もう一つ、そんな議論から、そういう意味で、あるときには自主改革で自主機関だといい、あるときは協同組合であるから法律に基づいた組織であるということで、何かカメレオンのように期待するものを使い分けているような気もしているんですが、そもそも政府は農協に何を期待するのかなという辺りも今回の改革としてはすごく重要だというふうに思っているんですね。

 質疑ですから、ただ質問するだけじゃなくて、私は、今回この委員会で、後半戦というか、こだわっておりますのは、やっぱりいわゆる新規就農者をどうやって増やすのか、それから例えば一人当たり本当に十ヘクタールできるのかどうか、規模をどういうふうに拡大していくのか、こういう辺り、実は幾ら農協を改革しても、あるいは輸出を増やすといっても、自給率を高めるといっても就農者がいなくなってしまえばもう終わりなんですよね。

 そういう観点からいけば、例えば、具体的に、ちょっと私も今までの発言の方向性変えると、要は准組合員だったとしても組合員になってくれる、つまり農業者に引き込めるんであれば、それはそれとして手段として面白いんじゃないかなと、こんなアイデアだってあるわけでありまして、ただ、農協に何を、例えば政府、それから今回の改革で期待するのか、どういう方向に具体的に持っていくのかという大きな戦略というんですか、そういうものがないとなかなか意味のあるものにはつながらないんじゃないかなというふうに危惧をしております。

 何度もしつこいようでありますけれども、平成三十七年に九十万人、六十歳以下の農業者が九十万人要るという試算、そうでないと三百ヘクタールの耕地を耕すことはできないと、こういう試算が出ているうち、今、残念ながら平成二十七年度では四十九歳以下の農業者が三十一万人しかいませんと。つまり、単純に六十万人増やさなければいけないというのが私は危機でありまして、これと今回の改革とどうつながっていくのか。

まさに、紙議員の方もありましたが、食料・農村・農業基本法にのっとればこの辺りは中心の課題になるわけでありまして、それが本来、もうちょっと踏み込んで農協の役割ということを考えていったら、もしかしたら新規就農者を増やすことができるかもしれないと。

 そういう論点から、もうちょっと踏み込んで、農協、何を政府は期待して今のような特に今後の五か年の計画に対してやろうとしているのか。

そうでないと、単純に、何か改革コンサルタントのように、問題があるからそれをモグラたたきで潰して、ここも悪い、あそこも悪い、悪いから直すんだではなくて、悪いところはどの組織にもあるわけですから、もっと大きく、どういうふうに位置付けたいのかな、戦略的なポジションというんですか、そんな議論が全然ないような気がするわけですね。

 それが全然質疑も足りていないし、今回のいわゆる政府の最初に出してきた規制改革の委員会の中でも何か足りなかったような議論をするんですが、経済通であり大所高所から見られる農水大臣であれば、この辺り踏み込んで是非戦略を御発言いただければと思いますが、いかがですか。

国務大臣(林芳正君) まず、山田委員におかれては、足掛け三年で随分農林水産委員らしくなってこられたなと今思って聞いておりましたが。

 民法三十四条というのがございまして、法人には非営利と営利というのがございますので、多分非営利だからといって何か公的な部門をやるということでは必ずしもなくて、NPO等で、協同組合もその一類型だと思いますが、こういうものを民間の発意によって自由につくることができると、そういう立て付けでこの法人の仕組みはできておりますので、我々がいつも申し上げているのは、そういう立て付けの上で民間がつくられておると、こういうことでございます。

 今、お尋ねのあった食料・農業・農村基本計画の構造展望の付録というのがございますけれども、先ほどお話しいただいたように、土地利用型については約三十万人、一人当たり十ヘクタール、三百万ヘクタールと、こういう試算を、計算をしておるわけでございます。

 農協改革の基本は、担い手の農業者の方のニーズを踏まえて農産物販売等の各種事業を的確にやっていくということでございますので、成果を上げていただきますと担い手農業者の経営の拡大や経営効率化、こういうものが図られると、こういうふうに思っております。

 午前中の質疑でもありましたように、こういうむしろ専業で担い手でやっていらっしゃる方は忙しいのでなかなか農協の理事にならないと、こういうような現状では、一体そもそも農協というのは何なんだろうと、こういうことになるわけで、そういうがっつりやっていらっしゃる方が、自分たちがより効率的にいろんなことをやってもらうためにやっていくという言わば原点みたいなものにしっかりと応えていただくというのが、翻ってそこにつながっていくんではないのかなと、こういうふうに思います。

   〔委員長退席、理事野村哲郎君着席〕

 それから、農地集積円滑化団体ということで農地流動化に取り組んでいただいている農協もございます。

中間管理機構の委託を受けているところもございますけれども、こういう担い手の農業者のニーズがより踏まえられるようになりますと、担い手への農地の集積、集約化がより進んでいくんではないかなと、こういうふうに思っておりまして、これはまだ議論があるところでもあるかもしれませんが、この一人当たり十ヘクタールという土地利用型で想定しておりますところにこの改革も同じ方向を向いていると、こういうふうに考えております。

山田太郎君 もう一度お聞きしたかった新規就農者がどう増えるかということに関しては、今回の農協の改革又は農協に今後求めていることというんですかね、集中していくだとか十分にその販売力が高まっていくというのは農協の販売力を強化することによって引っ張っていくということだということだと思うんですが、その辺りはどうなんでしょうね。

国務大臣(林芳正君) 失礼いたしました。

 新規就農についても、そういう担い手の意見が反映をされるようになって、そういう方が、なるほど、みんなでこの農協を使っていこうということが今より盛んになってくれば、そういうところに入っていこうという方も増えてくるということでございますし。

   〔理事野村哲郎君退席、委員長着席〕

 それから、法人経営になりますと、自分で一から土地を借りたり、取得して始めるということに加えて、就職をすると、こういうことが出てまいりますので、学校を卒業されてすぐということでは必ずしもないかもしれませんが、最初から全部自分でやるというよりは、法人に就職をしていろんな技術等を習得した上で、そういう気持ちがあればその後スピンオフしていくと、こういう形も出てくると、こういうふうに思いますので、こういう方が増えていくことによって、新規の就農、これは農協の改革だけではなくていろんな施策を同時に打っていかなければならないと思っておりますが、そういうものと相まってこの方向性が出てくるものと、こういうふうに期待をしております。

山田太郎君 そこの農業法人の規定で、これも実は農協法三条に書いてあるんですが、「この法律において「農業者」とは、農民又は農業を営む法人」とあるんですが、実は括弧書きがございまして、法人は、常時使用する従業員の数が三百名を超え、かつ、資本金の額又は出資の総額が三億円を超える法人を除くと書いてあるわけですが、逆に言うと、であれば、私、ちょっと自分も会社経営していたりしていましたので、そんなに大きな法人ではない、この規模はというふうに思っておりまして、もっと大きないわゆる農業を営む法人も組合に組み込めるということだってあってもいいんではないかなと思うんですが、大規模な農業者というものはこれに参画できないのか。

 規模を拡大、また今おっしゃられたように、新規就農という人たちが入ってくるためには勤めながらのルートもあるんだということであれば、この規定というのがやっぱり現実的には、農協法三条、先ほど紙議員がおっしゃっていた小規模というものを救うというところから脱し切れないのかどうか。

こういうちょっと不整合がいろいろあるんじゃないかなとも思うんですが、その辺り、いかがでしょうか。

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