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安保法制でゆらぐ公明党の平和の理念──森田実×中島岳志

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集団的自衛権の行使容認を含む戦争法案(安全保障関連法案)が7月16日午後の衆院本会議で、与党などの賛成多数により可決され、衆院を通過した。憲法が骨抜きにされてしまう危険性をどう考えるのか。自民党と連立している公明党は「平和の党」としての存在感を示しているのか。2015年4月17日号に掲載した緊急対談をネット公開する。


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もりた みのる・政治評論家。1932年生まれ。1980年代から、公明党、創価学会関係の取材を重ね、多方面で活躍。ブログ「森田実の時代を斬る」(http://mori tasouken.com/TEST03-2s.html)は毎日更新中。著書に『独立国日本のために 「脱アメリカ」だけが日本を救う』(2011年、ベストセラーズ)など。



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なかじま たけし・本誌編集委員、北海道大学大学院法学研究科准教授。1975年生まれ。インド政治、近代日本思想史研究。テレビ朝日「報道ステーション」の毎週水曜日コメンテーター。著書に『アジア主義 その先の近代へ』(2014年、潮出版社)、『下中彌三郎 アジア主義から世界連邦運動へ』 (15年、平凡社)など。

中島 公明党は自民党に抵抗できるのか、僕は非常に怪しい気がしています。昨年7月、安保法制の整備についての閣議決定(注)がなされた前後から、僕は公明党に厳しい意見を言ってきました。創価学会にはたくさんの友人がいますが、彼らも閣議決定の内容を危惧している。
「自民党の暴走を食い止めるブレーキ」として期待もあったけど、いまはアクセルとブレーキを両方踏んでいる車だと思っています。どこに行くかわからない不安定な状態。アクセルを踏んでいる足のことをしっかり考えてほしいです。

森田 昨年初めから7月までに、公明党と創価学会の人たちの中では、相当な議論がありましたよ。私のもとには、学会一筋の人から「公明党とは決別する」「公明党の腐敗した連中と闘う」などといったメールが何件も届いた。ですが、いまはみんなが口をつぐんでいる。この沈黙を私は懸念しています。
党側は統一地方選挙が終わるまで、自民党との議論は「しばし休戦状態」と考えているのでしょう。ですが、自民党はこの間にも、着実に事態を先に進めています。
閣議決定後、公明党との協議はすでに済んだかのようにマスコミに「宣伝」をし、休戦に持ち込んだ。自民党の高村正彦副総裁は訪米して、米国への防衛協力が拡大されるなど好き勝手なことを言っている。今月末には安倍の訪米もある。ここで日米防衛協力のための指針(ガイドライン)を決め、安保の法整備に入ろうという考えです。一方、公明党には米国の出方を注視している節がある。その動きを踏まえた上で法の骨抜き作業に入ろうとしているのでしょう。

(注)閣議決定「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」。第3項「憲法第9条の下で許容される自衛の措置」で、集団的自衛権の行使容認についても触れられている。

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