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ギリシャ問題を理解するための基礎知識

【高橋洋一・株式会社政策工房 代表取締役会長】

ギリシャ問題を理解するには、国際政治・経済の標準理論を学ぶといい。

長期的な視点からは、ユーロの問題やEU・NATOの関係から、ユーロ離脱・EU残留という道が見えてくる(詳しくは、7月6日付け「国民投票実施でも混乱は必至!ギリシャ経済危機「唯一の解決策」を教えよう」 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/44049 参照)。

短期的には、緊縮財政でギリシャが再建できるかという問題である

ギリシャ危機はこれまでに何回もある。これまで200年間で100年くらいの間はデフォルト期間であるので、危機は珍しいものでない。最近でも、2010年あたりから財政危機になって、年金のカットや付加価値税増税などの緊縮政策がとられた。

ただし、この緊縮策は成功したとはいえない。たしかに、財政赤字は減少したが、経済成長率はマイナス成長が続き、経済の落ち込みは酷くなった。2000年代の後半には、失業率は一桁であったが、2010年に入ると二桁となって、最近では25%程度にも高くなっている。



ちなみに、この現象は、ギリシャを例にして日本に対して財政再建を説く財政再建至上主義者にとって強烈な皮肉になる。そうした人たちは、財務省の口車に乗って、財政再建しないと、金利が上昇し経済成長を阻害するといってきた。逆をいえば、緊縮策をとれば、財政の信認が増して、金利が下がり経済成長するというのが、財務省の財政赤字はケシカランというロジックだ。

ところが、前回の危機のギリシャでは、緊縮策をしたら、経済成長しなくなって、失業率が高くなったのだ。財務省がいってきたこととまったく逆の結果である。ギリシャは、緊縮策をとる前のマクロ経済パフォーマンスのほうが、失業率をとってみてもわかるが、はるかによかった。

今回も、ギリシャは、年金制度の改革や付加価値税の税率引き上げなどを含む緊縮策を示している。数年間の財政危機の時と同じ流れである。このままで行けば、ギリシャか前回の緊縮策の失敗を再び繰り返すことになるだろう。無理な緊縮策が、経済成長を阻害すると、財政は経済の一部門なので、最終的には財政再建もできないのではないか。何によりも、経済がしっかりして、失業が少なく、その後に財政がよくなればいい。「国破れて財政あり」というのでは、国民にとって本末転倒である。

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