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いまどきメディアへの憧れだけでメディア社会学科を志望している時点で死亡フラグが立っている

先日、西田亮介さんが、大学のクラスで『AERA』誌を知らず、雑誌を買っている人がいないとツイートしたのに対して、下記のようなツイートを行いました。2013年から法政大学社会学部メディア社会学科で教えているわけですが、一番驚いたのが 「メディア志望です」という学生が、新聞や書籍を読まず、場合によってはテレビもあまり見ず、ドワンゴと角川書店の合併といった業界を揺るがすニュースも知らないということでした。

「具体的にメディアというと?」と聞くと、「漫画を読んでいるので、出版社に行きたい」 と答える学生がかなりの割合でいます。ですが、出版社が手がけている雑誌も書籍も読んでない。もちろん、出版業界が抱える課題(本が売れない、電子書籍化など)にも関心がありません。

スマートニュースやNewsPicksのようなスマートフォン向けのニュースメディアだけでなく、ヤフーすら「メディア」と捉えておらず、自分たちの進路の範疇に入ってないのもかなりの驚きでした。メディア=マスメディア(テレビと漫画)であり、漠然と華やかそうなイメージに憧れているだけ、なのです。

大学の教員となって出身の新聞業界以外、テレビや出版の方とも話すことが増えました。「面白い学生が採用で来なくなった」との嘆きは既存マスメディア業界全体に言えることのようです。採用担当の方から「藤代さん学生を紹介してくれませんか」と言われることもあります。古いメディア観を持った学生が、採用試験を受けるのだから、まあそうなるようなあと…

ツイートに対して、「昔もメディアに憧れて志望した」という意見も見られましたが、以前はメディア業界はそれなりに時代の先端だったし、マスメディアに入らなければ多くの人に情報を伝えることはできなかったので、好奇心を持った人、社会への問題意識を持ち、多くの人に伝えたいという人もいたわけですが…

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ソーシャルメディアの登場によって誰もがメディアを持てる時代。表現に関心がある学生は、ブログを書いたり、動画サイトで中継したり、フリーペーパーをつくったり、しています。社会問題に関心がある学生は、被災地や過疎地で活動し、シェアハウスをつくり、クラウドファンディングで資金を集めています。これらの学生は好奇心も旺盛です。そういった学生はメディア社会学科に来なくても、メディア的活動を行っているわけです。

メディア志望といいながら、ソーシャルメディアは仲間内でのやりとりに使い、クラウドファンディングは知らない、社会の問題も関心が乏しい、好奇心がないのでメディア業界が直面している課題も知らない。でも、メディア業界の人と知り合って威張っている。みたいなナゾの意識高い経学生がいてトホホな気分になります。

誰もがメディアを持てる時代に、メディアに入ることが目的化しているようでは、その学生の将来が相当危うい。そこで、最近では私が担当する高校での模擬授業や進学ガイダンスでは学科の説明の仕方を変えるようにしました。 

法政大学メディア社会学科では、今年度の新しいカリキュラムからメディアを学ぶ講座とプログラミング系の科目を組み合わせて履修することを推奨するように変更しました。ワークショップ型で次世代のメディアを考える「ウェブジャーナリズム実習」もスタートします。

藤代ゼミは厳しいと言う学生もいますが、「メディアを使って社会問題を解決する人材をつくっている」もしくは「メディアの未来を切り拓く面白い学生がいる」と言われるように(学生にとっては変化が激しいメディア社会を生き抜く基礎力を身につけられるように)取り組んで行ければと思っています。

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