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「人は何度でもやり直せる」

少年院出院者の自助グループ「セカンドチャンス!」女子部代表に聞く

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少年院時代の体験を語る中村すえこさん

少年院を出てから、どうやって社会に溶け込んでいったらいいのか。そんな悩みを抱えた人たちが立ち上げた自助グループ「NPO法人セカンドチャンス!」がある。その創設メンバーで女子部代表の中村すえこさん(39)に自分の体験を踏まえて“後輩”に伝えたいことを聞いた。 中村さんは郵便配達の夫と子ども3人で横浜市内に暮らしている。子煩悩なお母さんというイメージだが、中学卒業後、暴走族に入り、15歳でレディース総長になった経歴の持ち主だ。縄張り争いで傷害事件を起こし、少年院に収容された。本人によると、まじめなふりをして過ごし、普通1年2、3カ月かかるところを丸1年で出院した。

実家に帰り、暴走族の仲間の所に顔を出したところ、「もう友達ではない」といわれ、リンチを受けて“破門”された。当時、暴走族に人気の雑誌があり、中村さんは度々その雑誌に取り上げられたため、仲間からねたまれたのだという。

しぶしぶ暴走族を離れたが、今後どう生きたらいいかわからず、落ち込んだ。そんな時、中学の遊び仲間に出会い、覚せい剤を教えられた。3カ月間、毎日のように覚せい剤を打ち続け、ふらふらしながら帰宅する途中、警察官の職務質問を受け、逮捕された。そのまま留置場に入れられたが、身体の異変に気付き、妊娠が分かった。その時、17歳で、警察からの連絡で駆けつけてきた母親にひどく怒られた。少年鑑別所に送られ、再び少年院に戻されると観念したが、審判の結果、試験観察処分となり、実家に帰された。

調査官に「今なら社会に出てもやっていける」と信じてもらえたのがうれしく、仕事を探して働き始め、普通の生活に戻った。その後、結婚して女の子を産んだが、4年後に離婚。そのまま一人で子育てを続けた。覚せい剤に手を出しそうになったが、「今度やったら子どもが大変なことになる」と思い我慢した。「子どもがいなかったら、どうなっていたかと考えるとぞっとする」と振り返る。その後、再婚、夫の連れ子と自分の子3人の子持ちになった。連れ子は成人して独立し、現在は5人暮らし。中村さんは今、学童保育の仕事をしている。

少年院出院者とサポーターの弁護士、学者、法務教官らが集まり、「セカンドチャンス!」を設立したのは2009年1月。仲間に「経験と希望を分かち合い、ともに成長しよう」と呼びかけ、東京、大阪、名古屋、福岡など9カ所に支部ができた。支部ごとに毎月1回、交流会を開いていて、100人以上の仲間が参加しているという。そのほか、年に1、2回合宿を行い、全国の会員が集っている。また、昨年3月、「陽はまた昇る」のタイトルで少年院出院者への応援メッセージ集を出版した。

画像を見る中村さんは全国の少年院を回って母校(出院者は少年院をこう呼ぶ)の後輩たちへの講話を続けている。「再び非行に走ってほしくないが、走り出したらその子のそばにいて、一緒に歩いていってあげたい。何度もウソついたり裏切ったりするが、絶対大丈夫だよと言い続けたい」と話す。その一方、「私たちは元加害者で、大いばりはできない、とも話している」と語る。

中村さんによると、少年院出院者が立ち直れるかどうかは、社会に出て居場所があるかどうかにかかっている。一つは心の居場所で、癒しになるところ。二つは活動できる場、力を発揮できる場で、それがないと、どこまでも転がっていってしまうという。とくに女性の場合は男性の影響が大きく、よい人にめぐり合えば覚せい剤でもすぐやめられると話している。

中村さんが後輩たちに一番伝えたいことは、社会に出て失敗しても、決してあきらめてはいけないということだ。「再犯をしても、それでもやり直せると思ってくれないと困る。そういう時は、明日からまたがんばるんだよ、何度でもやり直せるんだよ、と話している。人は何度でも変われる。何度でもがんばればいいじゃない」と、力を込めた。

日本財団は再犯防止を目指して「職親プロジェクト」を推進しており、その一環として法務省と提携、少年院出院者らの職場探しをサポートしている。中村さんもこれに協力し、後輩たちに色々アドバイスしている。(飯島一孝)

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