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琉球新報主宰「琉球フォーラム」での講演(前編)

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それでも、壇上で絶句するというのは実に絶望的なものです。原稿がない状態で、次に何しゃべるつもりだったのか思い出せないまましばらく黙っているわけですから。立ち尽くしている僕も大変だけど、聞いている方も大変です。結婚式のスピーチで言うこと忘れて絶句している人を見守るように、皆さん息を詰めて次の言葉を待っているわけで、どちらも辛いんです。

だから、講演はできるだけ受けないことにしているんですけれども、なかなか断りきれない。今回は沖縄からのご招待でしたから、重い腰を上げて伺いました。それから秋には福島からも呼ばれておりまして、これも行かざるを得ない。

というのは、僕は沖縄のメディアに対しても、沖縄県民の皆さんに対しても深い敬意を抱いているからです。すでにあちこちに書いたことですけれど、今の日本では、沖縄の人たちが一番日本の現実を真っ直ぐに見ている。一番冷めた目で現実を見ていると思います。

今日は『憲法と戦争 ―日本はどこへ向かうのか―』というお題をいただきました。この憲法と戦争という2つのトピックに絡めて、いったい日本はどうしてこんな国になってしまったのか、どうしてこういう現状になってしまったのかについてお話をしたいと思います。特に興味があるのは「これからどうなるのか」です。

ふつう学者というのは、これから日本はこうなる、世界はこうなるというような未来予測はしません。外れることがあまりに多いから。でも、僕は別に学者ではありませんから、予測が外れても別にそれでペナルティを受けるわけじゃない、学問的威信を失うわけでもない。ただの一介の市民ですから、未来予測が外れても誰も困らない。僕も困らない。だから、なるべく予言をするようにしています。当たれば自分の推論が正しかったことになるし、外れれば自分の推論のどこが間違っていたか、どういうデータを勘定に入れ忘れたかを自己点検して修正できる。自分の推理能力を高めるためには、具体的にはっきり「当たり外れ」がわかるかたちで予言した方がいいんです。

ですから、これから後、日本はどうなるのか、世界はどうなるのかということですについて、できたら少し時間を割いて話してみたいと思っております。

昨日、僕は東京に行っておりました。参議院議員会館で福島瑞穂さんと対談をして、それを本にするという企画が進行中で、その三度目の対談をしてきました。当然のことながら「安保法制はいったいこれからどうなるんでしょう」という話になりました。福島さんの予測では国会会期を8月中旬ぐらいまで延長して、8月10日前後ぐらいに強行採決、という見通しでした。

これだけ世論が反対し、政府の法案説明もまったく不十分であり、加えて衆議院の憲法審査会で参考人の憲法学者が揃って「安保法制は違憲の疑いがある」と言ったにもかかわらず、官邸はどうやらそういう反論をすべて無視して強行採決しそうな気配がします。

それを止める手だてがあるのか。当分、選挙がありませんから、どれほど街頭闘争が盛り上がっても、メディアが激しい反論の論陣を張っても、首相がやる気なら、強行採決は止めることはできないと思います。

これまで第二次安倍政権では、官邸が決定したことは国会はほとんど素通りしています。官邸で、少人数で非公開の場で決められたことが、そのまま閣議決定されて、国会を通って現実化していく。

この間、新聞で報道されましたが、閣議の平均時間は13分だそうです。発言したい閣僚は事前に質問書面を出すことを義務づけられている。だから、その場で思いついたことを発言できない。

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