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琉球新報主宰「琉球フォーラム」での講演(前編)

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2回に分けてお送りします。
後編はこちら⇒琉球新報主宰「琉球フォーラム」での講演(後編)

「憲法と戦争 - 日本はどこに向かうのか」

皆さん、こんにちは。ご紹介いただきました内田でございます。

ご紹介の通り、子どもの頃から本当に態度の悪い少年でありまして、ご指摘頂きました高校中退というのもさまざまな非行を重ねた末に学校から放逐されたわけでありました。その後もずっと攻撃的で、反抗的な子どもでした。とにかく、エネルギーが有り余っていて自制がきかない。二十歳を超えた頃になると、さすがにこのまま暴走し続けたら、どんな人間になるのか分からないと自分が怖くなってきまして、誰かに頭をしっかり抑えてもらわないとまずいと思うようになりました。武道の師匠を探し始めたのはその頃です。

いくつかの武道を渡り歩き、25歳の時に合気道の多田宏先生に出会い、「この方について行けば自分の攻撃性を抑制できる」と確信して、ほっとしました。孫悟空が玄奘(げんじょう)法師に出会って頭に金の輪っかをはめられ、悟空が悪さをすると玄奘が経文を唱えてキリキリと頭を締め付けるという話があります。あれで悟空の暴力性を制御したわけですが、あれと同じです。誰かに「輪っか」をはめてもらいたかったんです。

ですから、僕にとって武道というのは、「体を鍛える」とか「健康になる」というのとはぜんぜん違うんです。自分自身を滅ぼしかねない過剰なものが体の中に分泌されている。それを抑制するためにはどうしても体系化された、規範力の強い枠組みが必要だった。宗教的な行とか、特殊な職能の習得ということでもよかったのですが、僕の場合はそれが合気道だった。

25歳に多田先生に入門してから40年間修行してきました。お蔭さまで、多少なりとも穏やかな人格になり、そこそこ社会的にも認知されるようになったと思っています。

本日は琉球新報のお招きで参りました。実を言うと、講演というものは今は全部断っているんです。特にこういうタイプの講演が一番苦手なんです。経営者のセミナーとか、名士たちの集まりが苦手なんです。

10年ぐらい前に、関西の経営者セミナーに呼ばれて、ちょうどこんな感じでお昼ご飯をご一緒して、その後、登壇してしゃべったんですけれど、そのときはお昼にお酒が出たんです。だから、ご飯のときから悪い予感がしていたんですけれども、案の定、演壇に立って講演を始めたら、前の方の席にいたおじさんたちが次々と居眠りを始めて、中にはイビキをかいている人さえいた。怒りをこらえながら1時間ほど話をして、以後二度と経営者セミナーの類には行かないと決意したのでした。

ですから、今日も、こんな集まりだと知っていたらお断わりしたと思うんですけれど、琉球新報主催ということで、何も調べずに来てしまいました。先ほど会員制の名士たち集まりだと聞いて「しまった」と思ったんですが、もう手遅れでした。

本当は、講演て全部嫌いなんです。僕はふだん何も準備しないで話し出すので、うまくいく時はうまくいくんですけれども、失敗する時はもう手も着けられない。壇上で絶句して青ざめてしまうということも時々あります。

ですから、今のうちにお願いしておきますけれど、携帯電話が鳴る、居眠りする、話の途中で退場する、というようなことがあるとはっと緊張が緩んで、そのとたんに自分が何を話そうとしていたのか忘れる、ということがあるんです。ですから、携帯電話鳴らすことと、居眠りすることと、途中退場することはご遠慮ください。今日は途中退場の方がいらっしゃるそうですけれども、その方は別に僕の話に怒って退場するわけじゃなく、ご用事で中途退場するので気にしないでくださいと先ほど社長からご注意頂きました。

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