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憲法9条とともに「主権在民」踏みにじる戦争法案/BS11「報道ライブ21」不破前議長 大いに語る

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 日本共産党の不破哲三前議長は7日放送のBS11「報道ライブ21」に出演し、司会の露木茂氏やコメンテーターの二木啓孝氏らと「安保法制 共産党はこう考える」をテーマに語り合いました。不破氏の話から、安倍晋三首相の政治的源流、自民党の変貌、戦争法案の問題点がくっきりと浮かびあがりました。

 番組は、5日、刊行された不破氏の最新刊『マルクス「資本論」発掘・追跡・探究』の紹介から和やかに始まりました。

 露木氏は「戦後70年、どういう思いで、この70年を迎えていますか」と問いました。

 不破氏は「70年前の時代について、これからこの日本で生きていく人間が、どういう見方をするかが問われる時代だと思います」と語り、1969年の初当選以来、国会で歴代首相の、日本の過去の戦争に対する歴史認識を追及してきたことを振り返りました。

 この中で、「歴史家による審判」を繰り返す竹下登首相が、不破氏に、ヒトラーの戦争も「難しい問題で、歴史家に任せるしかない」と答弁したことに言及。これが世界中に配信され、米太平洋軍の新聞が「竹下、ヒトラーの戦争を擁護」と大々的に報じたことを紹介しました。

 細川護熙(もりひろ)首相が就任当初の記者会見で「侵略戦争だと認識している」と言明したのは、この竹下答弁の4年後でした。これが村山富市首相談話に結実していきます。露木氏も「伏線があったんですね」とうなずきました。

安倍政治の源流

村山談話攻撃、教科書の書き換えから始まった

 続けて不破氏は、「その時に大変革があった」ことを明かしました。その大変革とは―。

 不破氏は、細川発言以降、自民党の右派勢力が「歴史・検討委員会」を作り、「大東亜戦争」礼賛論者による講義を重ねたことを紹介。「安倍氏は、細川氏が首相になった選挙で初当選。まっ先に『検討委員会』に参加して優等生だったのではないでしょうか」と語りました。

 同委員会の報告書『大東亜戦争の総括』を掲げ、話を続けた不破氏。「この本が発表されたのは50周年の記念日でした。片や村山談話、片やこれが発表される。『侵略戦争だった』という反省をした村山談話に対してこれを突きつけたのです」

 その後、同委員会に参加した自民党議員らが行ったのは教科書の書き換え運動でした。

 安倍首相は当時、2期生でありながら、この運動を担った「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」の事務局長に抜擢(ばってき)されました。

 「こうして始まったのが安倍氏の政治経歴です。それが首相になって、その流れが自民党を占領した。だから、この流れをそのままにしたら日本は世界で生きていけません。そういう問題があるんです」と指摘した不破氏。「その流れだからこそ、今度のような憲法違反の法案が平気で国会に出てくるというところに問題があります」と語りました。

自民党の変貌

小選挙区制で単一色に。政策見直す幅なくなる

 自民党の変質・変貌ぶりについて話題になりました。

 不破氏は、「自民党はもともと保守連合で生まれた政党です。だから、保守は保守だけれども、いろんな流れがありました。総保守連合的な性格が自民党のいわば強みだったのです」と語りました。

 「強み」がなくなった背景は―。不破氏は「原因は小選挙区制にある」とずばり。候補者の任命権とお金の権限を本部が持つことから、「嫌な意見を言う人は候補者になれない」と指摘しました。

 「今、自民党は単一色です。だから、自分たちの政策に国民が反対しても、それが世論だから自分たちの政策を見直さなければならないという幅がありません。反対が強いと『これはマスコミが悪い』となる」と語った不破氏。露木氏は「そこなんですよ。『懲らしめなければいけない』となる」と応じました。

 94年の小選挙区制導入は何をもたらしたか―。不破氏は、マスコミ幹部を選挙制度審議会に入れ、異論をおさえこんで行われた小選挙区制度導入の経過を振り返り、「選挙制度審議会は、小選挙区制と政党助成金を抱き合わせにして、『政治改革』をやろうと答申しました。この二つが日本の政治をむちゃくちゃにしているのです」と強調しました。

 小選挙区制度以前は「5人区では自民党から3人、4人出たりもする。それが自民党の保守連合的な性格を維持する制度的支えになっていました。それがなくなり、今度は『公認してもらえない』という圧力がかかる。言論弾圧は自民党内で先に始まったようなものです」と語りました。

 さらに大きな害悪は―。不破氏は、2014年の総選挙で自民党の獲得した得票率は全有権者に対して17%にすぎないという数字を紹介しました。

 不破氏は、「70年代の自民党は49%とか得ていたけど1強なんて言いませんでした」と指摘。安倍政権について、「わずか17%の支持にもかかわらず、国会では“虚構の多数”でありながら、国民が何を言おうが『多数を持っているものが何でもできるんだ』という態度が、国会の期限が近づくにつれありありと表れている」と批判しました。

 さらに、「日本は『主権在民』が戦後の大原則です。この主権者が『反対だ』という声を、『政治を知らないものの言い分だ』といって踏みにじる。これは民主主義の政治にかかわる政治家の資格のない態度です」と強調。戦争法案は「憲法9条を踏みにじるだけでなく、主権在民の大原則も踏みにじってやろうとしているところが、非常に危険なところです」と力をこめました。

戦争法案の問題点

国際紛争への武力行使放棄と書かれた憲法の壁は乗り越えられない

 戦争法案の違憲性がテーマになりました。不破氏は、国会論戦を受け、はっきりしてきた戦争法案の問題を2点指摘しました。

 一つは、戦争法案が日本を戦争に参加させる法案だとはっきりしたことです。

 不破氏は、戦争法案では、これまでの自衛隊の海外派遣に設けられていた「戦争と一線を画す歯止め」を全部取り払ったことを指摘。「これからの自衛隊の海外派遣は中身が違ってくる」と強調しました。その上で、「戦闘地域にもいけるようになり、武器や弾薬も持っていけるようになった。これは完全に戦争行為です」と断じました。

 もう一つは、政府が武力行使の条件にしている新3要件について、「アメリカの戦争が正しい戦争か、間違った戦争かという判断が、どの条件にもない」と指摘しました。

 「アメリカがやるのは、いつでも正義の戦争だと思い込んでいるから要件に入らない」と批判した不破氏。「日米軍事協力の指針(ガイドライン)」に触れ、「大規模な戦争に参戦することになる」と警鐘を鳴らしました。

 不破氏は、「憲法には、国際紛争の解決の手段としての戦争、武力による威嚇、武力の行使を放棄すると書いてあります」と説明しました。

 「アメリカが他国から攻撃されるとか、他国と戦争するというのは、日本から見れば国際紛争です。そういうことにたいして『武力行使はしてはいけない』ということを、憲法にはあれだけ明確に書いてあるわけです。いくら解釈を持ち出しても、これは絶対に乗り越えられない壁なんです」と強調する不破氏に、露木氏らも深くうなずきました。

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