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深刻化するギリシャの債務問題

 ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長は26日に、ルクセンブルクでの会議で、IMFがギリシャ向け支援供与を保留する可能性があると指摘した。IMFには向こう12か月間の借り換え保証が付与されない限り行動を起こせないとの規定があり、6月に予定されているEUとIMFによるギリシャ向けの総額120億ユーロの融資の前提条件が満たされていないとの認識を示した。

 ギリシャの国債価格の下落により、ギリシャが市場で独自で資金を調達できる可能性が低下している。もし、市場からの資金調達が難しくなればドイツなどからの追加支援を仰ぐことが予想されるが、そのドイツなどでは、ギリシャへの支援などに対して国民からの反発も大きくなっており、ギリシャが新たな緊縮財政策や民営化を進めない限りは、追加支援策には消極的な姿勢を示している。

 もしギリシャの資金調達が難しくなれば、IMFからの支援も受けられなくなり、その結果、ギリシャはデフォルトを回避できない可能性も強まることになる。

 EU、IMF、そしてECBの当局者は、ギリシャの赤字削減努力の進捗状況について来週評価をまとめることになっているが、それぞれの立場に微妙な違いも出始めている。

  5月17日にユーログループのユンケル議長は、ギリシャが債務を持続可能な水準に抑制できなければ、「リプロファイリング(債務の再構成)」が必要になるかもしれないと述べた。また、27日にはフランスのサルコジ大統領が、ギリシャの財政問題の解決に向け、債券保有者も責任を分担しなければならないとの考えを示し、ギリシャ債務再編の可能性を示唆した。

 これに対してECBのシュタルク理事は18日に、債務務再編であれ、ヘアカットであれ、債務を再編すればギリシャの直面している問題を解決できると考えるのは幻想だと述べている。また20日にはバイトマン・ドイツ連邦銀行総裁が、ギリシャが債務の償還期限を延長した場合、ギリシャの国債はECBのリファイナンスオペの担保として、不適格になる可能性があると発言した。

 さらにIMFは現在、ストロスカーン専務理事の逮捕とその後の辞任によりトップが不在である。これはIMFの意思決定にも影響を与える可能性がある。ストロスカーン専務理事が、昨年5月にほぼ独断に近い形でEU・IMF合同の救済スキームをまとめあげたとされており、加盟各国への根回しをしないまま欧州の救済策をまとめたことに対する批判もあった。

 EU、IMF、そしてECBはすでに一枚岩とも言えず、それぞれの事情を抱えたまま、ギリシャの債務問題に対処しなければならず、ギリシャの債務問題は深刻化せざるを得ない状況にある。

 ギリシャ当局者が25日に、追加の緊縮財政措置の唯一の代替手段はユーロ圏を離脱しドラクマを復活させることとの見方を示すなど、ギリシャのユーロ離脱の可能性もないとは言えないような状況にもある。ただし、これについてはギリシャにとってもあまりに失うものも大きいことで、実現の可能性は薄いとみている。

 このギリシャの債務問題に関するEU、IMF、そしてECBの三竦みの状態を見ても、いったん信用を失った国の債務問題の解決が非常に難しいことが明らかなった。しかも、それによりギリシャの国債金利が上昇することにより、より問題解決を難しくさせるという負のスパイラルに陥っている。

 国債への信用問題、そしてそれに大きく関わる国債金利の動向、このあたりのことは日本でも十分に注意すべきものである。一旦、日本国債の信用が喪失し、その結果、長期金利の急騰を招けば、巨額債務を抱えた日本では対処のしようはなくなる。

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