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来週の日銀の決定会合を占う

 来週の5月19日から20日にかけて日銀の金融政策決定会合が開催される。前回の会合が4月28日であり、それからの期間も短く、また特に経済情勢に大きな変化はいまのところなかったことで、金融政策の変更はないと予想される。

 このため注目すべきは、前回4月28日の会合で資産買入等の基金を5兆円程度増額し45兆円程度とする独自の議案を提出していた西村副総裁の動向になるかと思う。この独自案の理由として「震災等の影響が長期化し、企業や消費者マインドの悪化を通じて実体経済への悪影響が強まることを防ぐ観点から」であることが、白川総裁の会見で明らかにされた。

 消費者マインドを見る上では、昨日発表されたの景気ウォッチャー調査も参考となりそうである。4月のDIは現状判断が2000年1月の調査開始以来最大の落ち込みとなった先月の27.7から0.6ポイント改善し28.3となった。また、先行き判断については3月の26.6から11.8ポイントと大きく改善し38.4となり、先行き指数の改善幅としては過去最大となった。

 一時の自粛ムードの広がりはやや緩和され、サプライチェーンに関しても3月のように先行きがまったく見えない状況から、やや改善に向けた動きも出てきている。

 もちろん先行きに対して楽観視ほどの状況ではないことも確かである。福島第一原発の1号機でメルトダウンが起き原子炉に小さな穴が開いたことが発覚するなどしており、まだまだ予断を許さない状況にある。電力供給についてもかなり悲観的な見方は後退しているものの、夏場に向けては節電努力が求められるなど、景気に与える影響も小さくはない。

 経済を取り巻く環境が前回会合に比べ、それほど変化がなかった以上、西村副総裁が来週の決定会合でも独自議案を提出するであろうことが予想される。また、前回の会合では西村副総裁の独自議案は、1対8で否決されたが、今回も提出された場合には賛成者が増える可能性もありうる。前回の会合でも西村案に賛同してもおかしくない委員がいたとの観測もある。

 ただし、ここで仮に西村案に賛成者が増えたとしても、それにより日銀の追加緩和の可能性が強まったとするのは時期尚早と思われる。4月6日と7日に開催された日銀金融政策決定会合議事要旨を見ても、景気の先行きに悲観的な発言をした委員に対して、真っ向から反対意見を述べている委員がいた。白川総裁が追加緩和となる議長案を提出するためには、もう少し条件が揃う必要があるとみられる。

 それには政府による第二次補正予算の編成も大きな要素となりうる。20兆円規模とも言われる二次補正は震災復興に向けた取り組みともなり、それを日銀が追加緩和で後押しする可能性もある。それまでは余程のことがない限り、手元のカードを切ることはないのではなかろうか。

 いずれにしても来週の決定会合にむけて市場の関心はあまり高くはなさそうだが、西村副総裁の動向については注目されるものと思われる。

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