- 2015年07月08日 13:51
【参院本会議】労働者派遣法審議入りで津田議員が「成立阻止」を宣明
参院本会議で8日、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案(労働者派遣法改正案)」が審議入りし、民主党・新緑風会を代表して津田弥太郎議員が「断固反対」の立場で質問に立った。同法案は、「専門26業務」の派遣労働者を除き最長3年と定められてきた派遣期間の制限を撤廃する一方で、1人の派遣労働者が企業の同じ部署で働ける期間を3年に制限するもの。
津田議員は、(1)同法案が過去2回にわたり廃案となった理由と責任の所在(2)厚生労働省が作成した、いわゆる「10.1ペーパー」の位置づけ(3)法案提出過程での当事者からのヒアリング(4)各省庁での派遣労働者の数と正規職員への転換実績(5)業務単位の期間制限の廃止(6)均等待遇原則の欠如――等について取り上げ、安倍総理、塩崎厚労大臣の見解をただした。
安倍総理は、同法案が過去2回、廃案となった理由について、昨年の通常国会は「条文の一部に誤りがあったこと等により審議未了で廃案」、昨年の臨時国会では「衆院の解散により廃案となった」と答弁、条文の誤りについては「政府の責任」だとした。
10月1日までに改正されなければ大量の失業者が生まれ、社会が大混乱するかのような虚偽の内容が書かれた「10.1ペーパー」については、安倍総理は「正式見解を示した文書ではない」と答えたものの、自身の責任は認めず、「遺憾」と述べるのみだった。
津田議員は、同法案は「生涯派遣で低賃金」を合法化するものであり、派遣労働者をまさに地獄に突き落とすものだと指摘。民主党は、派遣労働で働く多数の当事者から聞いた悲鳴を声を政府に伝えてきた一方、政府は法案に賛成する派遣労働者の具体的存在を1人も明らかにしていないとただしたところ、安倍総理は「国会への提出後に計4人に厚労大臣からヒアリングを行い、2人から法案の目指す方向性に賛同する旨のコメントがあったと聞いている」と答え、法案提出までに現場の派遣労働者の声に一切耳を傾けていなかった事実が明らかになった。
画像を見る津田議員は、法案の最大の問題点として特に、業務単位の期間制限の廃止により企業はあらゆる一般業務について派遣労働者を使い続けることが事実上可能となり、「臨時的・一時的」という派遣法の大原則を根底から覆すものであることや、専門26業務として専門的な高いスキルを生かし長期にわたって働いてきた人々を同制度の廃止により失業の危機に追いやっていることを指摘。この点に関し政府が、2012年の派遣法改正時の民自公3党提案の附帯決議に基づくものだと言い訳をしていることについても、驚いて声も出ないと非難、「本来の付帯決議の趣旨は、専門26業務の内容の適正化を図るというものであり、今後勝手な言い訳は、この津田弥太郎が一切認めない」と断じた。
加えて、もう一つの大きな問題点として、均等待遇の原則の欠如を挙げ、「均等待遇は労働者派遣の肝であり、世界の常識でもありながら、今回の政府案では、極めて不十分な検討規定が付則に盛り込まれているに過ぎない」と批判した。
政府が同法案の長所としている、キャリア形成を支援する仕組みや派遣元事業主が派遣労働者に行う教育訓練の義務づけ、派遣事業をすべて許可制にすることに対しては、「多額の交通費がかかるような教育訓練にいったい何人が参加するのか」「一人でも派遣労働者の雇用の継続を図れなかったら、義務違反として許可の取り消しができるのか」「許可制により本当に派遣労働者の保護が図れるのか」などと迫った。塩崎厚労大臣は、「実際に受講できない訓練の機会を提供した場合については、教育訓練の実施義務を果たしたことにはならないと考えている」「義務違反を把握した場合には、許可の取り消しも含めて厳しく対処していく」「保護規定に違反した派遣元業者には、許可の取り消しも含め厳正な指導を行う」などと答えるにとどまった。
津田議員は最後に、「わが国の雇用現場を崩壊させる本法案については、断固『成立阻止』を宣明する」と述べ、質問を締めくくった。
民主党広報委員会



