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迷走⁈安倍政権 ーこの先を展望してみるとー

安倍政権と言えば、長期政権、反対派の台頭を許さない独裁色の強い政権、更には言論への圧力までかける政権というイメージがあるようであるが、良しにつけ悪しきにつけ、強い政権として形容され、理解されることが多いようである。

 その安倍政権、今国会の目玉法案、最重要法案である安保法制とそれに関連する党所属議員の失言や関係者の発言で行き詰まり感が出てきているようである。永田町関係者の言葉を借りれば、潮目が変わったということであろうか。

 さて、その「潮目」が変わったタイミングはいつなのかと考えれば、一つは安保法制が審議入りし、安倍総理、中谷防衛大臣、岸田外務大臣のいずれもまともに答弁が出来ていない状態が白日の下に晒された段階、もう一つは自民党若手議員の勉強会での百田氏及び所属議員の不適切発言が明らかとなった段階、更に加えれば年金情報漏洩問題が発覚した段階であろう。

 かかる状況でも自民党内が安倍政権を、諸手を挙げて何がなんでも支えるという狂信状態であれば、自民党は政党としてのガヴァナンスに欠けると形容せざるを得ない。(江田憲司幹事長(当時)ら良識派の説得活動も虚しく、ガヴァナンスが決定的に欠如した独裁個人商店街道をまっしぐらに突き進んだみんなの党を見て、やはり自民党はしっかりした組織とガヴァナンスを持った政党だとしみじみ感じた筆者としては、そうは思いたくないのだが。)

 しかしそうでもないらしい。そうでもないらしいというのは、ガヴァナンスがしっかり働いているという意味で、であるが。安保法制という点では、村上誠一郎衆議院議員が反旗を翻した。詳細については各種報道を参照されたいが、独裁とまで形容されることがある安倍政権下で与党議員からこうした動きが出るのはある意味健全であると言えるのではないか。単なる反対のための反対ではなく、明確な根拠を持った反対であるのだし。

 そもそも、維新の党の落合貴之衆議院議員議員が衆議院平和安保特委で質問したとおり、自民党は根っからのタカ派集団というわけではなく、宏池会という平和協調外交を政策の柱とする派閥の系統がある。彼らからすれば、今回の安保法制は日本を自国のためではなく他国のために戦争に加担する存在に自ら引きずり込ませかねない、あってはならない法制のはずである。無論、自国を自ら守るための防衛力まで放棄するというような、非現実的を通り越して、ユートピアのような考え方をしている派閥がでは決してない。ただ、現実的に我が国をとりまく国際情勢をとらえ、それにふさわしい政策の選択肢をしっかり考える、現実主義の政策集団である。

 その流れをくみ、政策通とも称され、しかも総裁経験者といえば、谷垣禎一衆議院議員、現在の自民党幹事長である。「潮目」が変わるタイミングで、谷垣幹事長は意味深な発言や行動をしている。例えば、若手議員の勉強会における不適切発言を巡っては、その勉強会の代表である木原稔衆議院議員を1年間の役職停止処分にしている。更迭との報道もあり、一見重い処分のように見えるが、報道機関にあからさまに圧力をかけ、沖縄の尊厳を著しく毀損するような発言のあった勉強会の代表に対する処分としては、単に一年間党の役職に就けないという処分を甘すぎる。

 また、7月7日、報道によれば、幹事長会見において次のように述べている。

「法案の審議時間も相当積み重なっていると思いますし、特段、新たな論点が出てきているわけでもないだろうと思います。そろそろ、出口を探っていく時期に来ているのかなとは思っています」

 総理でもなく、防衛大臣でもなく、幹事長がこうした前のめりの発言をするのは不自然であろう。何か意図があっての発言としか思えないよう感じる。

 さて、こうしたことを見るにつけ、強いと言われた安倍政権、明らかに基盤が弱体化してきているのではないかという意見が出てもおかしくない状況である。これまで安倍政権礼賛、安倍政権に都合のいい記事を書いていた週刊誌まで、安倍政権批判、自民党批判を始める始末である。(週刊ポスト誌では、次の総理特集記事まであった。ちなみに筆者もコメントしているので、機会があればご覧いただきたい。)

 現状においては自民党が議会多数派の政権与党であり、しばらく衆議院選挙がないと考えると、迷走している場合ではなく、一般有権者のみならず、野党からしても、自民党にある程度はしっかりしてもらわなければならない。(無論、来年の参議院選挙後は別の話であるが。)

 そうした時、現実主義の平和協調外交の流れをくむ谷垣幹事長はどう動くのか?やはり、迷走する現政権を軌道修正する役割を担うべき時にきているのではないか。

 与野党という枠を超えて、谷垣幹事長、もとい谷垣衆議院議員には、その職責のみならず、初心、信念を実行に移していただきたいと思うが、如何?

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