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禁じられた日銀の国債引受の例外

 昨日のコラムで、日本を含めて主要先進国では中央銀行による国債引受は禁じられていることを示したが、日銀については国債引受には例外が存在している。このため、日銀はすでに国債引受を行っており、日銀による国債の直接引き受けは問題ないと論じる向きもいる。

 日銀が保有する国債のうち償還期限が到来したものについては、財政法第5条のただし書にある「特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りではない」という規定に基づいて、特別会計の予算総則に記載され、国会の議決を経た金額の範囲内に限って、国による借換えに応じることができる。これは国債の日銀乗り換えとも呼ばれている。これはつまり、日銀が保有している国債が満期償還を迎えると、1年間に限って現金償還を延長し、現金の代わりに短期国債を発行し、それを日銀が引き受けるというものである。

 これについては次のような解説もある。日銀による国債の買入れは、日本の経済成長に応じて日銀券の流通を増加させるために行われているとも言える。このため、買入れにより購入された日銀保有の国債が満期償還を迎えた場合に、日銀券の流通量を維持するために、再び別の国債の購入する必要がある。これは日銀券の流通量を増加させるものとはならず、物価上昇を引き起こすおそれがないことから、事務効率に資するため市場を通さずに国債発行当局から直接国債を購入する場合がある。

 そしてもうひとつ、日銀による公債の引受けは財政法により原則として禁止されているが、政府短期証券(FB)については当該条項の適用を受けないと解されており、日銀法でも日銀がFBの引受けを行うことができる旨の条項が設けられている(日本銀行法第34条第4号3)。

 ただし、FBの発行が1999年度以降、原則として市場における公募入札により発行する方式に改められ、この公募入札方式への移行後は、日銀がFBの引受けを行う場合は、政府からの要請に応じて例外的に行う臨時引受けと、日銀の業務運営上必要がある場合に自らが行う引受けに限られることになった。

 このうち、政府からの要請に応じて実施する臨時引受けには、市場における公募入札において募集残額等が生じた場合と、為替介入の実施や国庫資金繰りの予想と実績との乖離の発生などにより「予期せざる資金需要」が発生した場合に限定されている。また、臨時引受けを行った政府短期証券については、可及的速やかに償還を受ける扱いとなっている。このように臨時引受けについては、中央銀行による政府向け信用のあり方の観点も踏まえ、一時的な流動性の供給となるような明確な「歯止め」が設けられている。

 以上のように、確かに日銀による国債引受については例外がある。しかし、両者ともに財政ファイナンスを目的としたものではない。日銀保有の国債償還分の1年間に限って現金償還を延長するのも、60年償還ルールに基づいた借換債の発行増による市中への影響を軽減させるなどの目的もあるものとみられる。さらに、FBについては予期せざる資金需要」が発生した場合などにはむしろ短期的な措置としては必要なものであろう。それぞれ、あくまで短期的な措置である。

 このような例外措置が存在しているからと言って、日銀による復興国債の国債引受を行っても問題ないという意見はおかしい。繰り返すが、これらは財政ファイナンスそのものを目的としているものではない。もし、日銀が財政ファイナンスを目的とした国債引受を行うとなれば、その時点で市場参加者による国債への信用が失われよう。当然ながら長期金利にもその影響は及ぶであろう。そして、その歯止めが効かないと認識されると、歴史上何度も繰り返されたような悲惨な事態が起こりうる。それだけは絶対に避けなければならない。


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