記事

米国債投資にみる海外投資家の動き

 米国債に関するデータを眺めていた際に、そのデータに関してツイッターで呟いたところ、興味深い指摘があり、それを今回、ご紹介したい。

 米国債保有の国別の統計に「MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES」がある。これを見れば、どの国が米国債を購入しているのか一目瞭然である。

 最近のデータである2010年10月現在での米国債の国別保有を見てみると、中国がトップの9068億ドルで、日本の8774億ドルに続く。そのあとに英国4776億ドル、石油輸出国2139億ドル、ブラジル1776億ドル、香港1392億ドル、カリブ海の金融センター1337億ドル、ロシア1316億ドル、台湾1312億ドル、カナダ1252億ドルがベスト10である。

 2008年9月から米国債の保有額は中国が日本を抜いてトップとなっているのはご承知の通り。日本も2位の座をキープしている。この2トップばかり目がいってしまっていたが、実は残高を大きく増加させていた国が存在していた。その国についてツイッターで指摘を受けたのである。

 その国とは英国である。1年前の2009年10月時点での英国は1081億円しかなかったため、1年間で約4倍の増加となっていたのである。それを確認するために、2009年10月時点での上記の国々の米国債保有残高を見てみたい。

  2009年10月は中国が9383億ドルでこの時もトップ、日本の7429億ドルに続く。そのあとは順序が入れ替わるが上記の順位のままで紹介すると、英国1081億ドル、石油輸出国2090億ドル、ブラジル1649億ドル、香港1378億ドル、カリブ海の金融センター1144億ドル、ロシア1459億ドル、台湾1156億ドル、カナダ448億ドルとなっている。

 金額で見て日本は1000億ドル以上の増加となっているが、やはり英国の増加が大きく目立つ。また、割合でみるとカナダも1年前に比べて約3倍に増加している。

 英国のこの大幅な増加については、ギリシャ危機などを受けて、欧州の年金基金や中東諸国のオイルマネーなどが、安全資産として米国債の保有を増加させた可能性がありそうである。また、介入などでドルを増加させたアジア諸国が英国経由で米国債を購入している可能性などが指摘されている。

 カナダの米国債保有の増加については、はっきりとはわからないが、やはり昨年のギリシャを発端とする欧州の債務危機が影響した可能性がありそうである。

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    BLOGOSサービス終了のお知らせ

    BLOGOS編集部

    03月31日 16:00

  2. 2

    なぜ日本からは韓国の姿が理解しにくいのか 識者が語る日韓関係の行方

    島村優

    03月31日 15:41

  3. 3

    「いまの正義」だけが語られるネット社会とウェブ言論の未来

    御田寺圭

    03月31日 10:09

  4. 4

    カーオーディオの文化史 〜ドライブミュージックを支えた、技術の結晶たち〜

    速水健朗

    03月30日 16:30

  5. 5

    BLOGOS執筆を通じて垣間見たリーマンショック後10年の企業経営

    大関暁夫

    03月31日 08:27

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。