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第35回日本・EU議員会議 平井たくや発言全文

これから日本の政治はどう変わるのかについてお話したい。
法律により、次の国政選挙から有権者の年齢が18歳に引き下げられることがほぼ決まる。若い有権者の投票行動によって、そこから新しい政策を探す動きが出てくると思う。
先ほどのアベノミクスについての後藤田議員の発言を聞き思ったことだが、日本の様々な目標は全てターゲットイヤーを東京オリンピック・パラリンピック開催年の2020年に設定している。先ほど発言があった外国人観光客数や女性登用のほか、我々は、財政再建についても2020年までにプライマリーバランスを黒字化するという目標を掲げている。日本のIT戦略に関しても、2020年までに世界最先端のIT国家を作るとしている。もう一つ非常に野心的な取組として、全国民にマイナンバーカードというICカードを配付するプロジェクトも2020年がターゲットイヤーになっている。成長戦略も2020年、つまり東京オリンピック・パラリンピックという一つの契機を目指して、あらゆるものを前向きに動かそうというのが今の日本だと思う。
しかしオリンピックの歴史を振り返ると、例えば1964年の東京オリンピック、2004年のアテネオリンピックなどを思い出しても、オリンピックが終わった翌年から、景気は急激に落ち込んだ。比較的順調にいったのが、2012年のロンドンオリンピックではないかと思う。

現在日本が行おうとしているマイナンバー制という新しい社会のプラットホームづくりに関しては、1億2700万人の国民全員にICチップが入ったカードを配付し、全ての国民に公的個人認証の秘密鍵を配付するという野心的なプロジェクトである。
インターネットの時代において本人確認を実施するコストが非常にかかっており、インターネットバンキングのなりすましなども起きている。これは1億人を超える国家でチャレンジする非常に大きなプロジェクトであり、もしこのプロジェクトが成功すれば、2020年以降、次の世代がそのプラットホームを使って、民間も含めた様々なプロジェクトを進めることができると考えている。

そのほか私の関心事の一つは、EUのデータ保護主義、日本の個人情報保護法の改正及び米国の個人情報に対する考え方について、三者間で整合性がとれるかどうかである。
現在、私自身日本においての個人情報保護法改正を担当しているが、少なくともEUとは互いに認められる条件、EUの十分性の認定はクリアできる改正になっていると思う。一方で、データの利活用と個人情報の保護のバランスの在り方については、まだこれから議論しなければならない。
しかしながら、日本においてはグーグルやアップルのようにビッグデータを商売に結びつける会社が少ない。したがって、このデータの利活用に関して言えば日本国内で検討すべき問題がたくさんある。
欧州委員会は、グーグルがEU競争法(独占禁止法)に抵触したとして提訴することを決めたが、このような問題について、様々な国際的企業とこれから議論していく必要があると考える。

個人情報の保護やデータの利活用について、日本とEUはもう少し議論を深めるべきだと考えている。
今年の6月には個人情報保護法の改正案が成立する見込みなので、日本はEUに先行して、個人情報保護法の新しい形を世界に示すことになる。法律を幾ら厳しくしてもサイバーセキュリティを確保しなければ個人情報を守ることはできない。
日本では今年1月からサイバーセキュリティ基本法が施行された。これは、官民の役割分担、各府省やサイバー関連事業者との情報共有、各府省庁の機能の活用、サイバーセキュリティ戦略など基本的な方針を定めた法律である。サイバーセキュリティ基本法は、米国にもなく、日本独自の新しい考え方であると思う。
ただし、日本はサイバーセキュリティ産業が十分に発展しているわけではなく、海外のサイバーセキュリティ企業の力を借りながら様々なセキュリティ体制をとっている。既に2020年の東京オリンピックは、サイバー攻撃の最大の標的になると言われているため、それまでに万全の体制をとらなければならないと考えている。
日本だけでは守れない状況の中、日本とEUのサイバーセキュリティ協議も開始された。また各国とのサイバーセキュリティ協議も行われているところである。2020年の東京オリンピックをいかに守るかについて、これから様々な国々との協議を重ね、情報を共有し、最強の体制を構築するのが我々の大きなミッションである。

今の世の中はまさに第3次産業革命である。デジタル化とグローバル化による社会の変革の時期である。
ドイツの「インダストリー4.0」相当の革命を加速化させるような様々な取組もあり、世の中は相当なスピードで変わっていくと思う。急速に変化する世の中においてどのような連携が取れるのか。
これほどまでにインターネットを利用し、インターネットに依存する社会となると、もう不可逆だと考える。こうした状況の中で本当に守らなければならないことは何かという議論がこれから重要になってくる。
デジタル化とグローバル化によって、政治も相当な影響を受けながら進むと思う。
私自身は、人間はどのようなことがあってもインターフェイスはアナログであり、最近では、デジタルだけでは幸せになれないとつくづく考えている。そういう価値観を共有するEUの皆様とデジタル社会の行く末についても今後も議論すべきであると考える。

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