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来年度の国債発行、総額は大きく増加するが市中消化分は小幅増加に

12月20日に開催された国債市場特別参加者会合では、来年度の国債発行計画について財務省と参加者の間で意見交換が行われた。

 冒頭に財務省から説明があり、国債発行計画は44兆円に抑えるべく予算編成作業が進められていること、借換債については概算要求では約115兆円としていたところ、仮に特別会計仕分けの結果への対応として買入消却の財源を国債整理基金の取崩しとするならば、数兆円規模で減額できる可能性がある点が示された。また、財投債については概算要求での15.5兆円より下回る可能性がある。

 そして、カレンダーベース市中発行額については、前倒し債の発行減額による調整分により増額をある程度抑制することが可能であるとの説明があった。

 今年度の国債発行総額は162.4兆円である。このうち借換債が102.6兆円であり、来年度の借換債は概算要求で約115兆円と大幅に増える見込みとなっている。その分、総額も増加する見込みだが、国債整理基金残高を活用した繰上償還が実現すれば、それは最大4兆円規模での借換債の減額要因となる。また、財投債も概算要求を下回る可能性があるようでそれも減額要因となりうる。

 そして、前倒し債の発行については差引で10兆円規模が想定され、その結果、来年度の国債発行の総額は大きく増加するものの、カレンダーベースでの市中消化額はわずかなものにとどまる見込みとなる。

 前回の会合では超長期債に加えて、中期債の増額を求める声もかなり出ていたが、今回の会合では中期債の増額はせずに超長期債の増加のみを指摘する声が多かった。大方の意見は30年債、40年債ともにそれぞれ一回あたり1000億円ずつの増加とするものであった。発言内容からもほぼコンセンサスは固まっているような感じであった。

 中期債の増額については「昨今の中短期ゾーンの不安定さ」などが指摘され、「ここもと価格変動性が大きいことを鑑み、なるべく増額は控えた方がよい」との声が出ていた。

  11月に大手銀行が2兆8905億円もの国債を売却していたことが、20日に発表された公社債投資家別売買高で明らかになった。期間別で見ると超長期債を約3367億円、長期債を約9969億円、中期債を約1兆6646億円売り越しており、特に中期ゾーンの売りが目立っていた。この動きを踏まえて、中期ゾーンへの増額については慎重な見方をするようになったものとみられる。

 いずれにせよ総額そのものが増加する割には市中発行額は抑えられることで、これによる国債需給への懸念は抑えられよう。財務省も前倒し発行などにより、少しでも国債への需給懸念を押さえ込んでいる。しかし、年間 170兆円規模という巨額の国債が発行されることに変わりはない。さらに再来年度以降についても、同様規模の国債が発行されることが予想される。足元の国債需給は問題なくとも、先々のことを考えれば安心していられるような状況にないことも確かである。


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