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唐突な浜岡原発の全面停止

昨日の記者会見で、菅直人首相は中部電力浜岡原子力発電所の「原子炉の全面的停止」を中部電力に要請する方針を明らかにしました。

これまで予算委員会などで社民党の福島瑞穂議員が「脱原発」の先駆けとして浜岡原発を止めるよう求める度に、明確な答弁をかわし続けてきたことを考えると今回の決定は唐突と言わざるを得ません。

中部電力が平成19年に作成した津波評価では、過去最大の津波を安政東海地震(1854年)の6メートルとした上で、海岸沿いにある標高10〜15メートルの砂丘で防げるため「安全」と判断していました。

もちろん、東日本大震災・津波で過去の想定を大幅に超える巨大地震と津波が発生したことで、耐震基準や津波対策の見直しが必要になったことは言うまでもありません。

しかし、新たな想定の見直しとリスクの再評価は、国が一定の判断基準を示した上で、国内全ての原子力発電所を対象に行うべきものです。

柏崎刈羽原発でも津波などの想定を見直した上での新たな対策を講じることを、県、柏崎市、刈羽村などが求めています。

そんな中、「なぜ浜岡原発だけを直ちに全面停止すべきだ」と即断したのか?菅首相の説明は十分とは言えません。

首相は「東海地震が今後30年以内に発生する想定が8割を超えているため」と説明しましたが、地震リスクを抱えた原発は他にも存在しており、今回の決定が他の原発立地地域にも影響を及ぼすことは必至です。

また突然の原発停止で夏の電力需給への影響も懸念されます。

菅首相は記者会見で「浜岡原発が運転停止をしたときに、電力需給バランスに大きな支障が生じないように、政府としても最大限の対策を講じて参ります。」と発言しましたが、政府の具体的な対策は何ら示されていません。

結局、「地域の住民の皆様をはじめとする全国民の皆様がより一層、省電力、省エネルギーの推進をしていただけることで、必ず乗り越えていける」と国民に負担を押し付けただけです。

わが国のエネルギー政策の根幹を担う原子力発電に関する政府の判断は極めて重要です。

さらに世界が日本経済に対する懸念(ジャパン・リスク)を増大させる可能性も否定できません。

週明けの国会では政府の判断の根拠や電力需要の見通し、日本経済全般への影響などについて政府に説明を求めて行きます。

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