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暴走が止まらない、止められない新国立競技場建設

とんでもない馬鹿話というか、いい加減さが凝縮されたようになってた新国立競技場です。3年前の当初の予算1,300億円ですら、これまでのオリンピックのメインスタジアムの建設費を大きく上回り、さすがハコモノ大国ニッポンの面目躍如という感じですが、それどころか、整備費がまずは基本設計で1,625億円に膨れあがり、さらには当初の計画の二倍以上を要するとわかった時点で計画を元に戻すべきでした。

しかしいったん走りだしたプロジェクトが止まりません。撤回する勇気が持てない、責任を取りたくない文部科学省と日本スポーツ振興センター(JSC)は暴走をいまだに止めようとすらしません。民間企業なら倒産街道まっしぐらの様相を呈してきました。

実現の可能性を無視して奇抜なアイデアをだすというのは、コンペではよくあることです。決定されたザハ案は、目新しく、奇抜で、躍動感があるという以外には、思想やコンセプトをまったく感じませんし、結局は、決定案はコンペで賞を取るための作品でしかなかったということです。

審査委員長を務めた建築家安藤忠雄さんが、決定されたザハ案を「相当な技術力が必要である。これが日本でできるとなれば、世界へのインパクトがある。材料、工法、構造技術、設備技術について、日本の優秀さを世界にアピールできて、世界中の人たちから注目を集めることができたら素晴らしい」とコメントされていますが、つまりもともと出来るのか、出来ないのかが分からないリスクを抱えていたわけです。
新国立競技場、「ザハ」なぜ選ばれた 審査激論の中身 :日本経済新聞

というか、技術さえ新しければ世間をあっといわせることができるというのは、一世代古い発想だと感じてしまいます。まるでもう伝説となってしまった「モノづくり神話」の墓標にでもしようというのでしょうか。高いリスクがあるとわかった時点で見積もり次第では、廃案もありえることを決めておくべきでした。

さて、再コンペの決定ができないままに、下村文部科学相から新国立競技場の整備費を約2520億円とするというところに漂着し、そのことが報告されたJSCの森会長は「大変苦労して、努力してよくまとめてもらったのではないかと思う」と下村文科相をねぎらったそうです。
新国立競技場、整備費2520億円に 19年5月完成予定  :日本経済新聞

文部科学省やJSCの無能さを覆い隠せてよかったとでもいうのでしょうか。森元総理は、今の日本の財政状況や、元々の東京オリンピック開催の趣旨を理解されているとは到底思えません。
「日本は神の国」と歴史を知っているとは到底思えない妄言を吐いた御仁ですが、今度はみんなで渡れば怖くないというところに落ち着かせたいということでしょうか。というか、コンペや見積りになにか裏があったのかとすら疑りたくなります。しっかり調査すべき事案ではないでしょうか。
アーチ1本5百億円…新国立競技場、入札でJSCが不正疑惑、予算巨額膨張を隠蔽か | ビジネスジャーナル

費用捻出も大変で、競技場の命名権売却や寄付などで民間から200億円を集めるとか、スポーツ振興くじの売り上げを充てて財源を確保しようということですが、東京都にも相変わらず整備費500億円の負担をお願いするということです。

500億円あれば普通のスタジアムならできてしまう金額じゃないでしょうか。文部科学省や日本スポーツ振興センターの失態のツケの代償をなぜ国民が負担し、さらに東京都民がそれ以上を負担しなければならないのかがよくわかりません。東京都がコンペに加わり、決定の責任を文部科学省やJSCとともに担っていたとすれば話は別でしょうが。

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