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「誰かさん」の面子の為に使われるtoto収益

もうね、こういう報道とか見ちゃうと、ホントにガッカリですよ。以下、朝日新聞からの転載。
新国立競技場、くじ収益頼み 2520億円の半分?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150630-00000007-asahi-pol

2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場について、下村博文文部科学相は29日、屋根を支える2本のアーチを維持し、総工費2520億円で、当初予定より2カ月遅れの19年5月に完成させる計画を、東京都の舛添要一知事らに示した。[…]

「できるだけ国費を増やさない工夫をしたい」とも話し、競技場の命名権売却や寄付などで民間から200億円を集めるほか、スポーツ振興くじ(toto)の売り上げを充てて財源を確保したい考えを示した。関係者によると、文科省は現時点で、都に加え、国からも500億円の調達を見込む。そのうえで民間から目標額の200億円を確保したとしても、総工費の半分強にあたる残り1320億円をくじの収益に頼ることになる。
賭博業の専門研究者たる私の立場は、我が国の富くじ及び賭博事業を応援する立場であって、公益の為に使われる賭博事業収益を記事内で定期的に大きくご紹介したりと、我が国の賭博事業の存在意義を広める為に私なりに出来ることを頑張ってきたつもりです。以下、過去のエントリからの転載。
公営賭博の収益金はどこに行く?
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/8754910.html

toto売上の使い道
リンク先を見る
(出所:toto公式サイト)

賭博というと社会的に害悪視され、世間の批判に晒されがちですが、一方で上記のように助成金を拠出するなど「国民生活に対して貢献もしていますよ」という事。賭博のそういう一面にも皆様に少しご興味を持って頂きたいなと願いつつ、以下に各公営賭博および富くじ団体による助成実績へのリンクを纏めて記しておく次第です。
こうやって誰に頼まれたワケでもない地道な広報活動を一生懸命やっているのも、この業界の片隅で飯を喰わせて頂いている研究者かつ言論人として、そこに「賭博と言えども、社会に貢献する事業活動の一つなんだ」という矜持と信念があってこそじゃないですか。でもね、今回の国立競技場の騒動のように、「振れば金が出てくる打ち出の小槌」の如く扱われ、またその収益がtotoくじが目指す本旨とは全然関係ないところに大量投入されるなんて話になったら、もはやコチラとしても心が折れてしまいそうになるワケですよ。

そもそも、この国立競技場の建替えに関して、妙に「五輪が、五輪が」と大騒ぎしたり、「キールアーチがどうのこうの」とイチャモンつけたりとか、完全に問題の発端を包み隠そうとするスケープゴートじゃないですか。元々、この国立競技場の建替えが推進されたのは、2019年に開催されるラグビーW杯の為であり、その開催を政治的にバックアップしてきた「ラグビーW杯2019日本大会成功議員連盟」(通称:ラグビー議連)が2011年に行った「国立競技場の建て替え推進決議」が発端なっているものなのですよ。

逆にいえば、2020年の東京五輪開催は「後付け」的に決定したものなのであって、これは当のラグビー議連の最高顧問である森喜朗氏自身が繰り返しご自身で発言されている、関係者の間の公知の事実です。以下、参考となる報道を朝日新聞より転載。
【参照】新国立競技場脅かす「三重苦」 19年春完成、今秋着工
http://digital.asahi.com/articles/ASH365Q4HH36ULZU007.html

[…]老朽化した国立建て替えの突破口は、ラグビー界が開いた。11年、「ラグビーW杯2019日本大会成功議員連盟」が建て替えを求める決議をした。「ラグビーがあったから新国立は実現した。五輪ありきじゃない」は、森氏の口癖だ。
それが予算上の問題が出た途端に、その後決まった東京五輪にかこつけて「世界へ恥さらしになる!」とか何とかいって、急に五輪アピールをはじめて無理やりでもどこかからか予算を捻出させようとする。そのくせ、「完成は2019年のラグビーW杯に間に合わせろ」とか裏で未だ主張を堅持しているとか、最早、自己矛盾もいいとこじゃないですか。そもそも「五輪成功の為に、どっからでも資金をかき集めて建て替えを遂行しろ」って主張なら、完成も2020年に合わせて延期すりゃいいじゃないですか。それなら、予算上のものと同時に存在している工期上の問題は、相当程度で緩和されます。

そもそも、2019年のラグビーW杯なんてのは日本ラグビーフットボール協会が誘致した私的イベントです。本大会の日本での開催は、2009年の国際ラグビー評議会で決定したなんて言われていますが、そもそもその時点で国民の誰もそれを認知していなかったじゃないですか。正直、そんなラグビーW杯が、予定変更になって別の既存スタジアムで開催になったとしても、少なくとも日本国としての面子が崩れるとは全く思いません。まぁ、日本ラグビーフットボール協会と、その会長さんの面子が潰れることがあるかもしれませんがね。(ところで、日本ラグビーフットボール協会の会長って誰でしたっけ??)

一方で、建替え予算を圧迫しているとされる象徴的な二本の橋を渡すデザイン「キールアーチ」に関してもそうです。確かにキールアーチ自体が難工事であるのは本当なのでしょうが、予算を圧迫している本当の理由は全然別のところにあるワケじゃないですか。その辺は、東京電機大学で講師も勤める一級建築士、片山惠仁氏が解説してくれています。

(注:JSCは国立競技場の運営母体かつ、totoくじの販売主体の日本スポーツ振興センター)

そもそも、今回の新・国立競技場の開発は、スタジアムに併殺される付帯施設側が重すぎるんですよ。その開発面積はおよそ6万坪、東京都庁の48階建て超高層ビルまるまる一棟分を超える規模の施設が併設される計算です。そこに、贅を尽くしたVIP観覧席、VIP用厨房、スポーツ博物館…と完全にスペックオーバーな付帯設備が盛り込まれ…と、一体なんなんですかこの施設は。諸外国から要人招いて、VIP席の高みから「見ろ!! 人がゴミのようだ。ハハハハハ」って、自慢したいだけの施設じゃないですか。

そうやってドンドン肥大している建設予算を、なぜかキールアーチのせいだけに矮小化して、デザインを変えるだの変えないだの、どうでも良い話に邁進して、そんな検討する位ならまずは付帯設備の方を縮小しなさいっちゅう話です。

…と、私としては究極的には国立競技場の建替えの話はどうでも良くて、寧ろこのような国立競技場をめぐる「誰かさん」達の面子を守るために、本来は国民体育の振興のために使われるべきtotoくじの収益が、どんどん垂れ流し的にどこかに消えてゆく。それどころか「それでも予算が足りない」ことを理由に、サッカーのみならず野球まで賭けの対象にしようなどという構想が、なし崩し的に広がってゆく状況を目の当たりにすると、業界の片隅でコツコツと賭博事業の社会的意義を広める活動をしてきた私としては、己の活動のあまりの無意味さに「なんだかなぁ」としか思えなくなってしまうワケです。

今後、私は何をもって「賭博と言えども、社会に貢献する事業活動の一つなんだ」と主張をしてゆけばいいのでしょうか?

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