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GPIFの国債売りが止まるが、海外からの買いも止まる

 日本証券業協会(JSDA)は6月22日に5月の公社債投資家別売買高を公表した。これは日本証券業協会の協会員、つまり証券会社から、当月中に取り扱った公社債の一般売買分(現先を除き、国債の発行日前取引を含む)の状況についての報告を基に集計したものである。発表される公社債投資家別売買状況のデータは、全体の数字と短期債の数字となっている。このため、短期債を除く債券のデータについては、全体から短期債を引いたものを使う。ここには国債入札で購入した分や日銀の国債買入分は入っていない。

 5月に都銀は5852億円の売り越しとなっていた。これで11か月連続での売り越しとなる。国債投資家別売買高でみると中期債を3637億円売り越し、超長期債を1854億円売り越している。

 売り越しが最も大きかったのは「その他」の1兆2669億円の売り越し。こちらは長期債を1兆21億円、超長期債を4039億円、中期債を3793億円売り越している。「その他」のなかで具体的にどの金融機関が売り越していたのかはわかからない。参考までにゆうちょ銀行は「その他」に入っている。

 買い越し額が最も大きかったのは、信用金庫の7609億円で、超長期債を2043億円、長期債を2331億円の買い越し。次に大きかったのは地銀の5701億円、長期債を4755億円、中期再を1287億円の買い越し。次が「その他金融機関」で5026億円の買い越し。

 4月に1兆8365億円の買い越しとなっていた外国人は680億円の買い越しにとどまった。11か月連続の買い越しとはなったが、買越額は大きく減少している。5月に外国人は中期債を5007億円買い越していたものの、長期債を2256億円売り越し、超長期債を1989億円売り越していた。日銀とともに国債を買い支えていた海外勢の買いの勢いが後退したことは要注意となる。

 そして、今回は信託銀行が3346億円の買い越しとなった。これは8か月ぶりの買い越しとなる。中期ゾーンを売り越して長期債を買い越した格好。どうやら年金による国債ポジションの圧縮は一服してきた模様である。

 農林系金融機関は4356億円の買い越し。生損保は2893億円の買い越しにとどまったが、引き続き超長期債主体の買い越しとなっていた。

 5月の債券相場を振り返ってみると、日本の大型連休中にスピードを増してドイツを主体に国債が大きく下落した。これを受けて日本の債券市場も調整を余儀なくされた。5月12日に10年債利回りは0.470%まで上昇した。その後は中短期債主体に押し目買いが入り、5月27日に10年債は0.4%割れとなった。

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