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会社の上司と飲みに行くことが何故、重要? 結局、無給の労働時間が増えるだけ

とある機会から『1万円払うなら、上司と3回飲みなさい』(光文社新書、前川孝雄著)を読みました。
 私の個人的信条としては、元来、飲酒は大嫌いですし、酔いが回った人との間でのコミュニケーションは極めて困難であると実感していますから、会社勤めにとって飲酒によるコミュニケーションがどれほどのものなのか、読んでみました。
 中身からすれば、日本の会社の病んだ姿と言いましょうか、結局のところ、上司と飲みに行くことは確かに「有益」です。要旨レベルなので、不正確かもしれませんが、こんな具合です。
 ①当然のことながら親しくなる、
 ②会社での企画内容のさらなる意見交換、情報交換が事前、事後にできるので実際の会議でもスムーズに参加できる、
 ③有益な情報が入ってくる。
などなど。

 これなら1回当たり3000円の出費だが、それに見合うだけのメリットがあるというのです。
 もっとも1万円のセミナーを受けている人は、むしろ転職を考えているのかもしれませんが。
 がしかし、これって、結局、終業時刻を過ぎても、会社の人間と一緒になって仕事のことを考えて会社に尽くせと言っているようなもので、これなら会社の中で出世したければ、上司と飲みに行く方がセミナーを受けるより有益なのは間違いありません。
 出世したければ、残業代だなんて言うな、むしろカネを出しても上司について行け、という感じです。

 そして著者は、今時の若者に対して、目先のものに対しても必至で取り組めと大号令を掛けるのです。
 自分磨きに1万円を掛ける人は、その会社にいたくないからと思われますが、著者からしてみると、どこに行ってもその発想じゃ同じだよということのようです。

 確かに今時の若者をみると、その姿勢に心許ないものがあります。1万円出してでもセミナーに参加しようというのであれば、むしろ意欲的ともいえます。
今時の若者は~ は間違い?

 しかし、その上司との接点が酒だけですか。日本の社会における人間関係の貧困を物語っているようにも見えました。24時間、会社のために、飲酒の時間も会社のためね、みたいなもので、そこに個人の尊重という発想はありません。
 しかも、この著者も結局のところ、酒が飲めない者がいるという発想は皆無でした。出世のためには酒が飲めないことなど我慢しろということなのかもしれません。
 この著作は、日本の会社の現実を示している点では、なるほととは思うのですが、それだけです。
 これでは会社に魅力はないよと言っているようなもので、今時の若者を引きつけることはあり得ません。

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