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シリーズ「安保法制」・・・④「国際協力支援」はこれまでの相場感、限度で・・・「武力行使」とは一体化させない!

安倍政権が提案する「国際協力支援法案」についての維新の党の考え方は、恒久法(一般法)にするのなら、それはあくまで、これまでの相場感、限度で、すなわち、テロ特措法やイラク特措法の範囲内で、というものだ。


 したがって、あくまで物資、医療等の後方支援に限定し、「武力行使」とは一体化させない。安倍政権が認めようとしている「弾薬の提供」や「空中給油」は認めないということだ。


 そもそも「後方支援」なら武力行使と一体ではないというロジックは、日本でしか通用しない「擬制」(フィクション)である。戦争論の常識からすれば、ロジスティクス(兵站)は、「兵站をたたけ」という言葉があるように、戦争の大きな構成要素だ。


 そこを憲法9条との関係であえて辻褄を合せるためにひねり出した概念(擬制)が「後方支援」なのだ。私も湾岸戦争、PKO法や周辺事態法の策定等に官邸で携わってきた立場から断言できる。そうなら、その「範囲」は極めて抑制的であるべきだろう。弾薬や空中給油を入れるのは欲張りすぎであり、それは武力行使とさらに一体化し、国民の理解を得られるはずがない。


 また、その「国際協力支援」の前提となる国連決議は、国連安保理決議、すなわち、国連憲章第7章の強制措置(武力行使)を容認するものに限られるべきだ。この点、安保理は常任理事国の拒否権があるので機能不全だ、それに限定すると必要な支援ができなくなる等々の批判があるが、これまでそうした武力行使を認める安保理決議は30以上あり、そうした批判は当たらない。


 やはり、後方支援であるとは言っても、日本と関係ない紛争に日本が加担する以上、安保理決議=「国際社会の一致した対応」というお墨付きをもらわなければならない。単なる「非難決議」等では足りないのだ。それ以外の国際紛争の態様は千差万別であり、必要なら、その都度、これまで通り、特措法で措置すれば良いだけの話だ。過去あったような「有志連合」というわけのわからない戦争に日本が加担することを避けるためにも、この要件は必要不可欠であろう。


 最後に、安倍政権は、これまでの「非戦闘地域」という概念も、「現に戦闘が行われていない現場」に変更し、「自衛隊の活動期間を通じて戦闘が行われない地域」という限定をはずした。これは戦闘の現場、前線が日々変わりうるのが戦争の常識である中で、極めて危険な修正であり、自衛隊への武力行使の可能性が飛躍的に高まるのは必定であろう。維新の党は、それを防ぐために、「現に戦闘が行われていない現場」だけでなく、これまで通り、「自衛隊の活動期間を通じて戦闘が行われない地域」という「緩衝地帯」を設けておくことが是非とも必要だと考えている。


 以上、今般の安倍政権が提出した安保法制に対する維新の党の考え方、今週中にも決定する独自案の骨格について述べてきた。いずれにせよ、今回の安保法制の策定が、戦後日本の、安全保障政策の大転換とされている以上、審議すべき論点は山積している。このような国の存立、根幹に係る法律案については、その国民的理解を得るため、国会の場で、十二分な時間をとって徹底審議するのは当然のことである。


 維新の党は、先に述べたとおり、独自の対案を政府に提示しながら、「平和国家日本」「専守防衛」の国是を守り、国民の不安や疑念を払しょくするために、全身全霊を捧げていく決意である。


シリーズ「安保法制」
①国際法にいう「集団的自衛権」とは?
②「個別」と「集団」。その自衛権概念の相対化
③重要影響事態」には際限がない!・・・周辺事態法の骨格は変えない

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