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遺族補償年金の支給要件に男女差別が認められた事例

表題の通りの判決が大阪高裁で下された。

遺族年金の男女差訴訟 違憲の1審判決取り消す

平成10年に妻がなくなった当時、51歳だった夫が、生存配偶者が女性の場合は年齢要件がないのに男性の場合は55歳以上であることを要件としていたため、遺族補償年金が受けられなかったのは憲法違反だとして訴えた事件の控訴審判決である。

一審は違憲判決だったが、高裁は、「女性の労働者の半数以上は非正規雇用で、賃金は男性のおおむね6割以下だ。夫が死亡した場合に、妻が独力で生計を維持できなくなる可能性は高い一方、逆の可能性は著しく低いというべきで、遺族補償年金の受給要件に区別を設けていることが合理性を欠くとはいえない」といったという。

 この理由付けは、生存配偶者の収入要件を基礎付けるのであればともかく、年齢により一律に支給しないという扱いを合理化するのには飛躍がありすぎると思うのだが、遺族補償年金のその他の要件の有無などを調べてみないとなんとも言えない。それにこの文言自体はNHKのまとめだ。

しかし、私が注目したのは、この判決の事案がなんと平成10年の事件であることだ。つまり、現行の民訴法が制定されて施行された年(か遅くともその翌年)に提起された訴えの控訴審判決が、今頃、下されたという事実であり、果たして一審では弁準をやっていたんだろうか、それとも準備的口頭弁論だったのだろうか、あるいはひょっとして弁論兼和解で期日を開いていたんではあるまいかなどと想像をたくましくしてしまう。

いくらなんでも遅すぎであろう。当時51歳で若すぎるから年金をやらないと言われた原告は、現在もう68歳とのことである。生きているうちに最高裁の判断が出るのかと、ご本人も心配されているのではないか。

重要な法律判断に関わるもので主張立証の機会は十分与える必要があるとは思うが、事実関係には争いはないであろうし、科学裁判で専門家の鑑定が必要だとか、そうしたものでもないはず。何かの事情で中断・中止があったのならともかく、そうでないのなら、問題事例として検討対象となる資格がありそうだ。

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