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香港の選挙改革案採決へ、知っておきたい5項目

香港の立法会(議会)は17日から次期行政長官選挙の制度改革案について審議を開始し、18日までに採決を行う見通し。この改革案は中国政府が起草したもので、成立すれば、2017年の行政長官選挙で初めて直接選挙を導入されることになる。だが、候補者は中国寄りのメンバーで構成する指名委員会のふるいに掛けられるため、民主派の候補者は事実上排除される仕組み。立法会前ではこれに反対する市民らの抗議活動が繰り広げられている。採決では、改革案は否決されることがほぼ確実視されている。行政長官選挙の改革案をめぐる審議・採決で知っておきたい5つの点を以下に挙げる。

1.立法会の採決は今週中

 審議中の改革案は17日もしくは18日に採決にかけられる予定。中国政府が作成した選挙改革プロセスの5段階のうち、ほぼ間違いなく最も重要なものであり、香港の小憲法といえる基本法に準じて行われる。

(訳注:5段階とは①行政長官が中国全国人民代表大会=全人代に報告書を提出、②報告書に基づいて全人代がその必要性の可否を判断、③立法会の3分の2の賛成、④行政長官の同意、⑤全人代での批准)

2.民主派議員は改革案に反対

 改革案によると、行政長官選挙の候補者は例外なく、1200人で構成される中国寄りの委員会から指名を受けなければならない。4月にはわずかな調整が発表されたものの、民主派議員らは自分たちの候補者が立候補できるほど選挙制度が民主化されているわけではないとして、改革案に反対の姿勢を崩していない。

3.改革案は否決の公算

 改革案に反対票を投じると表明している民主派議員は27人で、全議席数の3分の1をやや上回っている。また野党陣営外の1人も反対に回っている。つまり、改革案が可決されるためには5人の離反者が必要であることを意味する。離反の可能性があるとみられている議員の一部は賛成に回ることを繰り返し否定している。

4.「オキュパイ」運動再燃の可能性は低い

 さまざまな民主派団体が、仮に改革案が可決されれば抗議活動を行うと表明しているが、昨年の「オキュパイ・セントラル(中環地区を占拠せよ)」ほど大規模な抗議活動が行われる可能性は低い。1つには、香港の警察当局が昨年の抗議活動を教訓に、治安対策を強化したことが挙げられる。市中の幹線道路が繰り返し占拠される事態を引き起こさないことが警察の最優先事項となろう。

5.次の展開は不透明

 香港政府は改革案が否決されれば、現行通り次期行政長官は2017年に1200人の委員会によって選ばれると話す。しかし、香港ウォッチャーの中からは、香港がいつまでも今のように政府機能がマヒし、世論が二分化された状態のままでいるのは不可能だと指摘する声も出ている。カーネギー国際平和財団副理事長のダグラス・パール氏は「現段階では、民主派は限定的に協力するよりも対決するほうが自分たちに有利だと確信している」とみている。

原文(英語):5Things About the Hong Kong Vote

By ISABELLA STEGER

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