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ハイアールこそシャープ救済の本命と思う理由

東洋経済オンラインに、中国の家電メーカーであるハイアールが非常に元気だと言う記事が掲載されていました。
http://toyokeizai.net/articles/-/73298

ハイアールと言えば、11年に旧三洋電機の白モノ家電部門を買収。AQUAのブランドを引き継いでその後どうしてしたのかと思っておりましたが、買収当時どん詰まり状態にあった三洋の家電事業の再生を着々進めてきていたようであります。

実は同社、この3月に我が地元の熊谷市駅近にどでかいビル(都内では珍しくない規模ですが、熊谷界隈では1社占有のビルとしては圧倒的に大きいです)を建て研究開発拠点を作ったことから、「おー、がんばっているんだ」という認識はありました。また最近時は携帯洗濯機はじめその製品のユニークさ故、メディアに取り上げられることも多く、改めてちょっと注目したい存在になりつつあった、そんな状況でありました。
http://news.mynavi.jp/news/2015/01/14/418/

東洋経済オンラインの記事にもあるように、6月上旬に開かれた新製品発表会ではさらなるユニークな製品が続々登場しました。液晶パネル搭載型冷蔵庫やらスケルトンタイプの洗濯機やら水を使わずに服を除菌・消臭できる衣類エアウォッシャー等々、従来の家電イメージを打ち破る製品の数々に、同社のなみなみならぬ努力と発想力の素晴らしさに感心させられたところでもありました。

これらの製品を見て私が感じたのは、単におもしろいという感情だけでなく、どこかで同じようなモノを見てきたことがあるという記憶でした。それはシャープ。古くはダブルカセットデッキあたりにはじまり、目ざまし時計付テレビやらプラズマクラスター付コピー機とか…。製品の良し悪しや当たり外れは確かにあったものの、「目のつけどころがシャープでしょ」というシャープペンシル開発以来の同社独自の企業コンセプトの下、数々のアイデア製品と言いますか、ニッチなニーズに応える製品を次々と生み出していたそれでした。
http://matome.naver.jp/odai/2138268998652262601

今回登場したハイアールの製品は、非常にコンセプトが近いのです。冷蔵庫の全面扉が液晶画面で録画画像を再生して家族間のメッセージ交換ができるとか、スケルトンの洗濯機で洗っている中身が見えますとか、一見便利なようでいてそれって本当に必要ですか的な微妙な感覚が、まさに「目のつけどころがシャープでしょ」路線そのものなのです。

昭和の高度成長期のように、黙っていても皆がこぞって三種の神器と言われた白モノ家電を購入していた拡大志向のマーケットを抱えた状況下では、どのメーカーも同じような製品ラインアップを並べるだけで十分な食いぶちを確保できていました。しかし低成長期に移り、どう考えても超大手家電メーカーと同じ製品で戦うには分が悪いシャープは、独自路線でニッチ・マーケットを開拓したからこそ、がんばってこれていたわけなのです。どの家庭にもニーズがある家電業界ほどの市場規模であるなら、ニッチ・マーケットもそれなりの規模で存在するわけで、そこを狙ったシャープの戦略はランチェスター弱者戦略的成功であったのです。

ところが同社は、たまたま優れていた液晶技術に自信過剰気味になり、王道路線で超大手や海外の巨大企業相手の真っ向勝負を始めてしまいます。これがもとで勝てるハズのないトータル技術競争や価格競争に巻き込まれ没落の一途をたどってしまったと言う、成功に導いた空き家狙いのランチェスター弱者戦略の放棄こそが、自らの首を絞めたと言える戦略的誤りであったと思うのです。

シャープ再生への道は、ニッチ・マーケットへの回帰、すなわち「目のつけどころがシャープでしょ」路線への原点回帰以外にないのではないかと思っております。となると、今回のハイアール登場は最大のライバルか?いやむしろ、ハイアールのニッチ戦略は超後発ゆえの生き残り策に他ならず、シャープの過去の成功戦略を研究し尽くした上での決断であったのではないでしょうか。もっと言うなら、債権整理が進んだ段階でニッチ戦略の本家シャープの買収までも視野に入れた長期戦略なのではないか、と思えてくるのです。ズバリ、自力では原点回帰さえままならないどん詰まりシャープ最後の救世主はホンハイでもサムスンでもなく、ハイアールに収まるのではないかと感じさせられるところです。

こう考えてきますと、第三分野家電とも言える白モノ家電ニッチ・マーケットをめぐって、暑い熊谷を舞台に熱い熱い家電業界再編の駆け引きが展開されるのではないかと、シャープ再生を軸になにやらおもしろくなりそうな予感がした次第であります。

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