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ギリシャがデフォルト後にユーロ圏に留まることはあり得るのか?

海外では、ギリシャがデフォルトを起すのではないかということに関心が集まっています。

 ギリシャ政府、そして、債権団の双方が主張を曲げないものだから、なかなか妥協点が見いだせないのです。

 債権団は、公務員の給与や年金をカットしろ、或いは消費税の増税をしろと迫っています。そして、その一方で、ギリシャ政府としては、そのような案は飲めないと互いが譲らないのです。

 でも、そうこうしているうちにIMFへの巨額の債務返済時期が到来するので、デフォルトは時間の問題になってきているのです。

 では、肝心のギリシャ政府はデフォルトを起してもやむを得ないと考えているのでしょうか?

 どう思いますか? そんなことはないって、ですか? 何故でしょうか?

 ギリシャはユーロ圏を離脱してもいいなんて決して言っていないから?

 確かに、ギリシャ政府及びギリシャの国民たちはユーロ圏に残留することを強く望んでいるのですが…でも、だからと言ってデフォルトは絶対回避すべきだと考えているかと言えば、私は大いに疑問だと思うのです。

 むしろ、デフォルトを起してでも債権者たちに現実を直視させ、再び借金の大幅な棒引きを認めさせるという作戦ではないかと、つい思ってしまう程なのです。

 デフォルトによって、ない袖は振れないということを見せつけられると、流石に債権団も譲歩するしかないと諦める可能性があるからです。

 仮にその作戦が成功すれば、結局ギリシャ政府の作戦勝ちとなり、ギリシャはさらなる借金の棒引きを認めさせた上でユーロ圏に残留することが可能となるのです。

 しかし、そのような作戦が裏目に出て、国際的なギリシャ救済スキームが白紙に戻ってしまった場合はどうでしょうか?

 ない袖は振れないということで、借金の返済は事実上ストップしたままになるでしょうが…でも、ギリシャ救済スキームがストップしてしまえば、ギリシャ政府は資金繰りをつけるためにIOU、つまりお札の代わりとなる借用証書を発行するしかなくなってしまうのですが、問題は、そのようなIOUが通用するかということなのです。

 つまり、一方でユーロ圏に残留しながら、他方で政府がIOUという借用証書で支払いを済ませようというシステムが機能するかということなのですが、ユーロ圏に残留するということは、正式の通貨はユーロのままであるので、そのような状況下で政府がIOUを発行しても、誰もそれを有難く受け取る者はいないでしょう。

 ギリシャは未だユーロ圏に残留しており、正式な通貨はユーロなのだから政府はユーロで支払うべきだと国民は抗議をするでしょう。

 ということは、幾らギリシャ政府がユーロ圏に留まりたいと思っていても、デフォルトを起して債権団から見放されてしまった暁には、もはやなす術がないので、ユーロ圏から離脱しドラクマを再び正式の通貨にするしかないのです。

 そうなれば、政府は事実上どれだけでもドラクマを発行することができるでしょう?

 まあ、以上のような考えが常識的な考え方だと思うのですが…本日、BBCのニュースサイトを見ていたところ、仮にギリシャがデフォルトを起しても、ユーロ圏からの離脱を認めない方がいいなんていう意見があることを知り、かなり驚きました。

 そこまでしてギリシャをユーロ圏に留めたいのか、と。

 でも、それならそれで、ギリシャがデフォルトを起さないで済むように、ギリシャの借金棒引きをさらに認めるしかないのです。

 しかし、そのようなことは認められないのでしょ?

 だったら、ギリシャがユーロ圏から離脱するしかないではないですか!

 ギリシャ政府は、緊縮財政は嫌だがユーロ圏には残りたいと言うし…債権者側は、ユーロ圏離脱は認めたくないがさらなる譲歩は認められない、と。

 それでは、いつまで経っても着地点は見つからないのです。

 ギリシャがユーロ圏を離脱するのが、それほど深刻な問題なのか、私には不思議でなりません。

 だって、どんな通貨を使うかなんて、それほど大した問題ではないではないですか。

 スイスだって、デンマークだって、或いはスェーデンだって独自通貨を使っているというのに…

 それに、ユーロ圏を離脱するといっても、ギリシャがどこか遠いところに引っ越す訳ではないのですから、気持ちの持ちようだと言ってもいいのです。


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