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「マイナンバー」導入が奨学金返済に及ぼす影響とは

国民それぞれが個別の番号を持ち、社会保障や税などの個人情報を一元管理するマイナンバー制度が、2016(平成28)年1月から段階的に導入される。行政の効率化に加え、国民にとっても年金などの手続きが簡素化される側面があるが、大学などの奨学金が返済しやすくなる可能性もあるという。ベネッセ教育情報サイトが、教育ジャーナリストの渡辺敦司氏に聞いた。

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マイナンバー制度は、国や自治体が個人の所得を正確に把握できるようになるため、さまざまな活用方法があるとされます。その一つが奨学金の返還です。

現在、高校生の奨学金は都道府県に移管されており、独立行政法人日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金は大学・短大や専門学校など高等教育機関の学生が対象です。卒業と同時に返還が始まるのが原則ですが、すぐ正規雇用に就けるとは限らない現状を踏まえ、2012(平成24)年度からは年収300万円になるまで返還期限を猶予する「所得連動型」の制度が導入されています。しかし、現行制度では300万円を1円でも超えた段階で満額の返還が始まり、依然300万円程度の年収の場合、毎月1万数千円から3万数千円(年利率3.0%の場合)を返すのは大変です。

諸外国で「所得連動型」といえば、所得額に応じて返還額も増減するというのが一般的。本格的な所得連動型とはいえない日本の制度のネックとなっていたのが、所得の正確な把握でした。文部科学省の有識者検討会は2014(平成26)年8月、マイナンバー制度の本格稼働を条件に「返還月額が卒業後の所得に連動する、より柔軟な所得連動返還型奨学金制度」を導入するよう提言しました。同省は2018(平成30)年度から本格的な所得連動型に移行させたい考えです。

返還の負担を恐れて奨学金の利用に尻込みしたり、ましてや進学をあきらめたりしては社会にとっても大きな損失。学ぶ意欲のある人が、安心して利用できる奨学金制度を望みたいものです。

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